高等学校/社会

社会認識の向上と市民的資質の形成を目指す。

社会における複雑な出来事とその背景にある諸事情を学ぶことをきっかけに、時代や地域により異なる「人々の価値観」「政治経済体制」などについて関心を深め、理解していくことを大切にしている。
「現代社会」「世界史」「日本史」「政治経済」「倫理」「哲学」という科目での学習は、人々が時間と空間の広がりの中で織りなしてきた社会をより多くの観点から学ぶことである。この社会で生きていくための知識だけではなく、自らの考えを持ち、相互に伝えあう経験を通じて、社会で必要な合意形成を図る能力を育成する。社会や人間について理解していくことで、自らが生きていく場としてこの社会を捉え直すことを期待する。

10年次

現代社会(公民科・2単位)

必修科目

  • 近年、世の中で注目を集めている話題を中心に、「平和」という言葉を一つのキーワードとして現代社会の仕組みについて学ぶ。選挙における模擬投票や吉祥寺のケーキハウス「レモンドロップ」への商品提案など、授業の中で疑似的に「体験」することを重視する。同時に、弁護士や司法書士による授業、希望者を対象とした裁判傍聴など実社会とのつながりを大事にしている。また、授業内ではグループワークによる意見交換などを積極的に取り入れ、自らの考えを適切に表現するとともに、他者の考えを聞き広い視野を持てるようになることを目指している

世界史A(地理歴史科・2単位)

必修科目

  • 20世紀は人類が2度の世界大戦と東西冷戦を経験した時代である。10年必修世界史では現在の国際関係や政治・経済における一体化や勢力関係を大きく形づけたこの時代に焦点をあて、歴史的経過を追うことを通じ、世界と時代を見つめる力を養成し、11年・12年時の選択の歴史授業につなげていきたい。

11年次

日本史A(地理歴史科目・2単位)

必修科目

  • 「二つの世界大戦」を中心に、戦争と日本について事実を踏まえたうえで、戦争が現在の私たちにどのような影響を与えているのか理解する。また授業の中では、日本が近代化していく過程で、当時の人々はどのような歴史的選択をおこなってきたのか、多様な意見を提示しながらディスカッションを行うこともある。社会や歴史における多様な意見を共有することを通して、自分なりの考えを育み、歴史的思考を養う機会としたい。

世界史Ⅰ(地理歴史科・4単位)

選択科目

  • 11年では、人類の誕生からヨーロッパ中世末期までの歴史を学ぶ。内容的には、教科書に準拠しながらも、16世紀から始まる、西ヨーロッパの国々の世界進出と一体化以前の「世界がそれぞれの地域で独自の文化圏」を形成してきたことを学ぶ。

日本史Ⅰ(地理歴史科・4単位)

選択科目

  • 11年の必修授業(日本史A:近現代史)と平行して、主に政治・経済史を中心に学習する。大陸の端の島国である日本は、多くの民族や文化の影響を受けつつ独自の社会を創りあげてきた。今、私たちが受け継ぐもの・育てたいものが何なのか、古い時代を学ぶ中で考える。11年では原始社会から中世までを学習範囲とする。受験科目として日本史を活用する生徒を対象としているが、社会や歴史に興味を持つ生徒にとっても意味ある授業であると考える。

倫理Ⅰ(公民科目:2単位)

選択科目

  • 現代社会における数々の問題を考えるために、これまでの歴史の中で培われてきた思想を学ぶ。この授業では特に西洋古代思想や宗教思想を中心に「よく生きるとは」という問いを考えていく。また、授業中に自分の意見を他人に伝える機会を取り入れ、他人の考えを聞いた上で自らのなかで新たな思考を再構築できるようになり、多様な視点を持てるようになることを目指す。

12年次

世界史Ⅱ(地理歴史科・4単位)

選択科目

  • 12年では、11年世界史の学習の続きとして、近世の幕開けとしてのイタリアルネサンス、大航海時代から帝国主義の成立を学習する。内容的には11年次と同じように、教科書に準拠しながらも、世界の諸地域がどのようにヨーロッパ世界に組み込まれていったかを構造的に把握することを学習の中心とする。

日本史Ⅱ(地理歴史科:4単位)

選択科目

  • 中世以降を中心に学習する。11年日本史A、日本史Ⅰと合わせて日本史の通史を網羅する。日本の政治・社会・経済の仕組みがどのように変遷してきたのか、各権力者の思惑や当時の状況を鑑みながら歴史的思考を養うことを目標とする。ただ歴史的事実を覚えるのではなく、「なぜその出来事が起こったのか」ということに注目しながら、出来事の原因・理由をきちんと理解できるようにする。受験科目として日本史を活用する生徒を対象としているが、社会や歴史に興味を持つ生徒にとっても意味のある授業であると考える。

政治経済(公民科:4単位)

選択科目

  • この科目は、民主主義・資本主義を大きな柱とする政治経済分野について、時事問題をふまえながら網羅的に取り上げる。センター試験、私大一般入試の問題演習を中心として、ただ知識を吸収するだけでなく、獲得した知識を自ら活用できるようになることを目指す。また、「党首討論」や「国連安全保障理事会」を疑似的に行なうことで、様々なしくみを「体感」することも大事にしている。これらを通じて、現実の社会問題に対して、多様な視点で自らの意見を持てるようになることを目指している。

倫理Ⅱ(公民科:2単位)

選択科目

  • この科目では倫理・哲学分野の知識を身につけながら、「あたりまえ」を問い直す力を育むことを目標とする。現代を生きる人々の思想がどのように形成されてきたかを学び、その思想を基に現実社会のさまざまな問題に対して考えることができるようになることを目指す。授業中には意見のやりとりを行うことで自らの考えを伝える、他人の意見を聞く、ということを重んじ、自ら問いを立てて、あらゆる視座から物事を考えることができるようになるようにする。

哲学(公民科:2単位)

選択科目

  • 「何を」考えるかによってあらゆる学問・科学は分野に分かれているが、哲学はそのすべての土台である「考える」ことそのものも対象にしている。自分が知っていると思っている知識の本質を問うとき、その知識をもとに考えるのではなく、手ぶらで思考することになる。授業では集団的に考える実技を行っていく他、思考を表現するためのことばも鍛えていく。