明星学園

創立経緯

明星学園の創立

明星学園は1924年(大正13年)に創立しました。大正デモクラシーの自由な機運の中で、「新教育」の学校として誕生しました。当時の学校といえば早く大人になるよう訓練を強い、断片的な知識の詰め込みをしていく教育が主流でした。そうした教育では子どもは育たないと考える教師たちが成城小学校に集まりました。「新教育」というのは、「子どもには子どもの世界がある」という考えのもと、子どもの感性を大事にする教育へと転換を図る教育運動です。成城小学校で出会った4人の教師、赤井米吉、照井猪一郎、照井げん、山本徳行が創立同人となり学校づくりを始めました。のち中等部の発足に当たり、上田八一郎が学校づくりに加わりました。



子どもの成長にとって「自然豊かな地」は欠かせないと考えた創立同人は、池があり、林のある井の頭の地に学校を建設することにしました。今でも学校の敷地には、鳥が運んできた種によって育った多くの種類の木があります。散歩に出るとたくさんの草花や虫たちに出会うことができます。出会った生き物に心動かされ、発見を重ねています。



子どもたちの感性を大事にするということは、「なぜ どうして」に答えられる教育、「知りたい、やりたい」という欲求を保障する教育、「話したい 伝えたい」という表現を大切にする教育だといえます。学びは本来、主体的・探究的な学びであるはずです。そうした学びが自己を確立していくのです。明星学園は「教育の内容」と「教育の方法」を一体のものとして研究を積み重ね、その研究の成果のもとに子どもたちと向き合っています。


明星学園の教育理念

教育理念を「個性尊重」「自主自立」「自由平等」と定めました。この理念は脈々と現在に引き継がれています。

「個性尊重」

子どもたちはそれぞれの個性に生きています。個性が理由なく傷つけられたり歪められたりしたのでは正しい教育はできません。教育の原則はまずこの個性を十分に伸ばすことで、ひとりひとりの個性に即してきめ細やかな教育の方法が工夫されねばなりません。一人一人の個性に合わせて、伸ばすべき長所を伸ばし、補うべきことを支援していきます。


「自主自立」

子どもの自主性を重んじ自立的な態度を身に着けるためには、学び方も主体的であるべきです。自信に満ちた生活は自主性によって支えられます。創意、発見のある学習態度はそれを促進させます。明星で保障される自由は勝手気ままにふるまうことではなく、自己の確立に向かっての自由です。

「自由平等」

人は自由であり平等でなければならないということは子供たちの上にも無条件で当てはまります。子どもたち同士が平等であり、子どもと先生が平等であるように先生同士も平等なのです。何人も「強制」による束縛は受けません。自分が自由であるということは、他人の自由をも同等に尊重されねばならないことです。


沿革

明星学園は、1924年(大正13年)5月15日、赤井米吉、照井猪一郎をはじめとする4人の創立同人により小学校を開設しました。当時の管理主義的画一教育から子どもたちを解放し、子どもの個性や自主・自立を尊重することを目的に、建学の教育理念として「個性尊重・自主自立・自由平等」を掲げ、児童数21名、教員数4名でスタートしました。

小学校開設のとき入学した最上級生の卒業にあわせ、1928年(昭和3年)に中学部(旧制中学校)と女学部(旧制高等女学校)を開設し、園長赤井米吉の招聘に応え上田八一郎が中等部部長(校長)として着任しました。

これら中学部、女学部は、第二次大戦後の学制改革のなかで、男女共学の中学校と高等学校に改組され、今日ある小学校・中学校・高等学校の体制になり、12年一貫教育を整えました。