前座から二ツ目に昇進後、前座修行中は一切やらなかったSNSを再開してゲームのことばかり呟いていたら、ある時テーブルトークカフェの店長という人からメールを戴きました。「一度お会い出来ませんか?」との事だったので、お店まで伺うと「楽天さん、TRPG落語をやってみませんか?」とご提案戴きました。
僕も入門前から仲間内で「こんなの考えたよ」とTRPGを題材とした落語みたいなものをこしらえて遊んでいたりしましたが、何しろ寄席のメインの客層はお爺ちゃん、お婆ちゃんがほとんど。ゲームなんて通用しないだろうと、端っから諦めていたのですが、テーブルトークカフェというのはTRPGを遊ぶための施設。そこを会場に落語会を開催すれば、ターゲット層はTRPGに造詣の深い方なのでマニアックな内容でもウケるというワケ。「是非とも宜しくお願いします!」と二つ返事で引き受けまして、TRPG落語会を開催すると、これがアナログゲーム業界内に段々と広まっていって、日本最大規模のアナログゲームイベント「ゲームマーケット」などに呼ばれるようになりました。やがて雑誌のコラムの連載を持たせて貰ったり、昨年春には『三遊亭楽天のTRPG落語』(グループSNE / 新紀元社)という単行本も上梓。たまにゲームの監修の仕事やゲーム会社の動画に出演するようにもなりました。
よく「芸は身を助く」と言いますが、僕の場合は「ゲームは身を助く」となっております。