明星学園

2021年度

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『授業づくりの根幹』
~わたしたちが授業づくりする上で大切にすべきこと〜

 現在、教育界では「探究」という言葉がさかんに用いられています。2022年からの高校の学習指導要領においても「日本史探究」「地理探究」「理数探究」などさまざまな探究学習が始まります。
 本校において「探究」とは創立以来の授業づくりの共通のテーマでもありました。「なぜ?」という問いの芽を大切にしながら自分の仮説を発表しあいます。自分と違う意見がたくさん出てきます。再び「なぜそう思うんだろう?」という問いが生まれます。仮説には必ず理由・根拠が必要です。他の生徒の発言に納得したときは自分の意見を変える勇気が求められます。和やかな学びの集団が形成されていきます。
 正解に早くたどり着くことを第一に考えるなら、このような学びは必要ないでしょう。思考のプロセスこそが「探究」の神髄であると思うのです。ただ、長きにわたり「探究」を考えてきた我々にとって危惧することがあります。たとえ本来の目標は子どもたちにとって良いものだとしても、それが一斉に教育現場に求められ、結果を出さなければならない時に起こる弊害です。最も大切なプロセスがなおざりにされ、一つの形式に落とし込むことでさも全員が主体的に学習しているように見せかけることです。教師が結果を出すことを求められる時、児童生徒の主体性などなくなってしまうのではないでしょうか。今まさに本当の「探究の学び」とはどういうことなのか、今回のテーマを「授業づくりの根幹」とした所以です。
 本来、子どもは探究の名人です。でもその探究の芽を押しつぶしてきたのが学校だなどと言ったら暴論でしょうか。その学校がいかに変われるか、あるいは変わらずに表面の体裁を整えるだけで終わるか、真価が問われています。児童生徒の思考のプロセスを大切にする明星学園の「授業づくり」から参考にしていただける部分があればうれしく思います。
 コロナ禍の中の公開研究会、オンラインという形となりますが、皆様とともに研究をできる場があることの喜びを感じます。どうかそれぞれの分科会では、忌憚のないご意見を頂戴できればと存じます。

明星学園中学校副校長 堀内雅人
※最新の情報は随時アップしていきます。(9/8更新)

期日

2021年11月21日(日)
  9:00〜  全体会(事前録画した講演会・シンポジウムをYouTubeにて限定公開いたします。) 
13:00〜15:00  分科会(Zoomにてリアルタイムで行います。)

参加費・参加方法

◇参加費:1,000円(※後日、報告集をお届けいたします。)
◇参加方法: Peatix(外部サイト)よりお申し込みください。

全体会


     
特別講演
 
末永 幸歩 氏 

 
「自分だけの『問い』や『答え』が生まれる場」
講演後、明星学園小・中副校長とのシンポジウムを予定しています

[講師プロフィール]
美術教師・アーティスト
武蔵野美術大学造形学部卒、東京学芸大学大学院教育学研究科(美術教育)修了。浦和大学こども学部講師、東京学芸大学個人研究員。
「絵を描く」「ものをつくる」「美術史の知識を得る」といった知識・技術偏重型の美術教育に問題意識を持ち、アートを通して「ものの見方を広げる」ことに力点を置いたユニークな授業を都内国公立中学校、高等学校などで展開。「美術がこんなに楽しかったなんて!」「物事を考えるための基本がわかる授業」とと大きな反響を得てきた。
初の著書『13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)が16万部超のベストセラーに。Udemyでの体験型動画講座「大人こそ受けたいアート思考の授業ー瀬戸内海に浮かぶアートの島・直島で3つの力を磨くー」を2021年5月に開講。教育機関での出張授業、大人向け講演・セミナーなども行っている。
▶Facebook(今後のイベント情報など):https://www.facebook.com/yukiho.artthinking

分科会

① 小学校 国語
「子どもの文章をどう読むか」(単元:「子どもの文章、子どもと一緒に読み合おう」)
 仲間の文章を読み合う時、読み手は仲間の気持ちに寄り添いながら読み深めていきます。また、作者の子は仲間が共感しながら自分の文章を読んでいることを感じ、「綴る喜び」を味わいます。このような心地よい関係性の中、今までの教材や文法的な学習も交えながら学び合うことで、表現の質も、読解の質も高めていけるのではないか。このような仮説から、今年の研究では、「子どもたちの文章から、子どもと共に意味付け、子どもの世界を見つめる」、そんな授業を目指して研究を進めてきました。参加者のみなさんとともに、これからの国語教育を「綴る」という切り口から見つめ直す機会としたいと思います。
講師:上西 信夫 氏(文芸教育研究協議会)
司会:本校教諭
提案授業:伊野文子(1年担当)/北村奈穂(4年担当)/伊藤駿(5年担当)


② 中学校 数学
「考える授業を創る(ピックの定理を見出すまで)」
(課題学習:格子点に頂点がある多角形の面積を考える)
 数学を学ぶことは、問いを持つこと、対象(数・図形・現実事象)に働きかけ対話すること、何かを発見してなぜ(?)と考えること、仲間と考える楽しさを味わうこと、そして世界を構造的に見る目を獲得することではないでしょうか。明星学園9年生は本来のカリキュラムとは別に週1時間、数学Bを学びます。そこでは一つの素材に5時間程かけ、生徒自身がじっくり取り組むことを大事にしています。その一つ、ピックの定理をめざした授業をビデオも交えて報告します。公立中でも5時間の課題学習として可能です。知識を教え込み演習させる授業から、「主体的・対話的で深い学び」を育む授業へ、参加者の皆様と一緒に考えていきましょう。
講師:瀬山 士郎 氏 (群馬大学名誉教授)
司会:未定
提案授業:小寺 隆幸(9年担当)

③中学校 理科
「磁力線を中心に考える電気磁気」(単元:電磁気)
 学習指導要領にもとづく実践では電流が磁場から受ける力(ローレンツ力)の原理は、実験事実のみから単なる説明で終えてしまいがちである。今回提案する授業プランでは、「電流の作る磁場および磁石の作る磁場」、「磁場の重ね合わせによって生じる磁場の強弱」といった既習事項から、ローレンツ力の原因を生徒自らが考察できることをねらいとしている。
 また、磁力線に収縮性・反発性があると捉えることで、磁石どうしにはたらく力とローレンツ力を統一的に理解させられ、電気現象と磁気現象が密接なつながりをもった現象であるというように実感させられると考えている。
講師:田中 篤司 氏 (東京都立大学)
司会:栗田 克弘 氏(山口大学)
授業者:平山 勲(9年担当)/提案者:上田 源也(8年担当)



④小/中学校 社会

「東アジアのなかの中世・近世の日本」
(単元:東アジアのなかの中世・近世の日本)
 世界中でコロナウイルス感染症が拡大し、さまざまな問題がこれまで以上に可視化されている今、地球市民の一員として、共生・連帯の道を模索することがますます重要になってきています。こうした時代に、歴史を学ぶことを通して私たちは何を見出すことができるのでしょうか。過去の事実を通して、今日の私たちが見落としていたかも知れない課題と工夫に気づき、特に東アジア地域の歴史と現在が直面する課題について理解し、生徒たち自身がその解決を目指して思考することができるような学びのきっかけを作れるような授業を目指し、一緒に考えていきたいと思います。
講師:三橋 広夫 氏(淑徳大学非常勤講師)
司会:繁田 真爾 氏(東北大学研究員)
提案授業:小畑 典子(8年担当)

⑤小/中学校 美術
「小学校6年間のまとめとしての卒業制作について」
(単元:卒業制作「夢」)
 明星学園小学校では、美術教育を美術科と工作科のそれぞれ独立した教科に位置づけています。美術科では絵画表現の課題を中心に、「みて描く」「生活を描く」「もよう」「物語を描く」「工作、造形、その他」の5つの分野に分けて1~6年生のカリキュラムを編成しています。これらの課題を、繰り返し学習することによって、各自が主体的に表現できることを目指します。
 6年生では、今まで学習したまとめとして、2学期には卒業制作に取り組みます。卒業制作のテーマと中学校の美術への繋がりについて、検討していきたいと思います。
司会:本校教諭
提案授業:坂本 直穏枝(6年担当)

⑥小/中学校 体育
「明星学園表現活動の現状と課題」
(単元:身体表現)
 民舞や、ダンスなどの指導は教師の教え込み中心の授業になることが多く、そのため学習集団としての取り組みが、不十分なまま終わってしまいます。踊り嫌いを作り、克服するための踊りに成り変り、本来の楽しさや、気持ちよく踊るということが欠如してしまうことがあります。なるべくそうならないように、グループの友だちと見合い比較をしたり、教え合ったりする中で、動きを客観的に見あうということを大切して授業をすすめてきました。今回の公開研究会では民舞の実践やマット運動の授業の様子を報告します。子どもたちがどのように関わりあって作品を創作しているのか参加者の皆さんと共有し、教材の価値を問い直していきたいと思います。
講師:沼倉 学 (宮城教育大学)
提案授業:冨田 秀和(小学校)/関連授業:高橋 三絵(7年担当)


お申し込み

お問い合わせ先

公開研究会事務局:福田純一(小学校)
TEL:0422-43-2197