明星学園

トピックス(小学校)

お知らせ

新年度を迎えて

校長だより
校長 福田純一

春休みが終わり、4月。新学期がスタートしました。
一つ上の学年に上がった気分は、とても嬉しい気持ちでいっぱいなことでしょう。
でも、中には、仲の良かった友だちと別のクラスになってしまったとか、担任の先生が替わって心配だとか…。そうした不安を懐いている人も多いでしょう。
今日の始業式では、そんな人たちのために、大丈夫だよ、というお話をしました。
 
私は、小学校の頃3年生でクラス替えがあり、新しい先生でした。大学を出てすぐの先生でした。1・2年生の頃は、ベテランの先生でしたが、コマ回し、新聞紙でチャンバラごっこなど、よく遊んでくれる先生でしたから、この新しい先生はどうなのだろうかと、ちょっと心配していました。また、クラスのメンバーも変わってしまったので、仲良しができるのか、ちょっと心配でした。
  
そんなある日、一人の友達が授業の始まりとほぼ同時に言うのです。
「先生、今日は天気がいいですね~」
数人が続いて話します。
「外でお弁当を食べたら、気持ちよさそうですね…」
すると、その先生は、少し間を置いてから、
「お弁当を持って、玄関に集合!」
と、言ったのです。私は、何が起きているのかよく分かりませんでしたが、どうも数人で予め打ち合わせていたらしく、その先生ともそんな話をしていたようです。
 
歩いて、20~30分のまだ水を引いていない水田に着きました。シロツメクサが辺り一面に植わっていて、よく見るとアマガエルが沢山いました。女子はシロツメクサで冠を作って遊んでいます。威勢の良い男子連中は、裸足で用水路の中へ入り、岩の陰や草の際を手で探り、ザリガニやドジョウ、ウシガエルの大きなオタマジャクシを採っています。数時間過ごした頃には、みな泥だらけでした。帰り道は、当然、あのザリガニは大きかった、あのおたまもすごかったなど、手柄話で盛り上がりました。
遠足でも、その先生には、山ばかり連れて行かれました。登りは一列でお行儀良く登るのですが、下りの一本道はみなバラバラで駆け下りていました。高尾山などは、沢ガニのポイントが言わずと知れたチェックポイントでした。

今から50年ぐらい前の話になりますが、東京でもこんな過ごし方をしていた時期があったのです。今思うと、本当にすてきな思い出です。自然を相手に仲間と色々しているうちに、いつの間にか友だちとも話すようになり、仲間意識が生まれました。そして、何よりもその先生と色んなことを話すようになっていきました。勉強では何をしていたのか、よく覚えていませんが…。理科好き、生物好きになったのは、この頃の影響が大きかったのでしょう。

この時期、不安な気持ち、寂しい気持ちになる人も多いかもしれません。でも、自然と沢山関わりながら、友だちや先生と関わりながら、色々なことを考え、色々なことを感じ取ってください。必ず、新しい世界が開けるはずです。
一度、新しい世界が開きさえすれば、当たり前の事の中に隠れている真実を見極めようとする気持ち、無駄かもしれないけれど夢中になって考えることが始まります。新しい友達とも自然に会話が弾むことでしょう。
今を大切にして、すてきな1年間にしましょう。



《教育方針》
 豊かな感性を持った、自ら考える子どもを育てる

《子ども像》
 「知りたがりや」「やりたがりや」「話したがりや」「つながりたがりや」

《育てたい力》
 自然に自ら働きかける力、考える力、表現する力、社会を創る力