明星学園

トピックス(小学校)

お知らせ

越中昆虫

校長だより
校長  福田 純一


 大寒を過ぎ、1年で一番寒い時期を迎えています。学園にもインフルエンザの猛威が迫り始めて来ています。1年生は学年閉鎖、3年2組は学級閉鎖になってしまいました。
今後、その他の学年でも流行の兆しがあります。水曜日には体育館のセットも終え、劇の練習が本番を迎えます。体調には十分気を付けてお過ごしください。

 さて、今回は、先日出かけた昆虫同好会のフィールドワークのお話をしましょう。
 年間数回のフィールドワークに出かけている昆虫同好会。今回のターゲットは、越冬昆虫です。多摩川の河原へ出かけました。参加した11名の他にOB・OGが1名ずつ参加してくれました。「和田虫」こと和田先生(元小学校校長)の指導の下、子どもたちは河原に自生している川柳の朽ちた枝を割っていきます。今回使う道具は、昆虫採集なのですが、捕虫網ではなく、ハンマーとタガネです。私も、和田先生の指示で30年以上使っていなかったピッケルを持参し、ツルハシとして使用し、これぞと思う木を砕いていきます。ポイントに到着して、身支度を整えた後、作業にかかります。

 朽ちた木があちこちにあるのですが、乾燥しすぎた木にはもう幼虫はいません。適度な湿り気のある木を探して、探っていきます。子どもたちが作業に取り掛かり始めたあと、これぞと思う木を見つけました。表面の皮をはぎながら、筋目に合わせて木を割っていくと、中の方は湿っていておがくずがたまった状態になっています。おがくずを丁寧によけながら、探していると…、いました!全長5㎝程の白くてぷっくりとしたウスバカミキリの幼虫です。1匹見つかると、そのそばにもう2匹隠れています。子どもたちからも歓声が上がり始めます。



「和田虫!これ何?」
「やったね。ウスバカミキリの幼虫だよ。」
「周りの木くずと一緒に、タッパーに入れておきなさい。」
「和田虫!これは?」
「お、これはコクワガタの幼虫!(こちらは3㎝程で頭に近い部分に足があります)」



 そうこうするうちに、大物が見つかりました!
「マイマイカブリ!」
「どらどら、写真を撮らせてくれよ。」
「えっと、首のところをこう持って…そうじゃなくて…こうだよ。」
「マイマイカブリはの肩の辺りを、こう持って、お尻を下に向けて持ちなさいね。(お尻からギ酸を吹きかけるから)自分の方にお尻を向けてはいけないよ。」
 私も駆け寄って見せてもらいました。朽ちた木の中で、まるでエメラルドのように黒光りする体が見えました。どうも♀のようです。(頭の部分が三味線のバチの様な角ばった形をしているのが♂、丸みを帯びて少し大きいのが♀です)
 こうなると、子どもたちもスイッチが入り、どんどん探っていきます。トレジャーハンターと化した子どもたちは、無我夢中で木の中に隠れている幼虫を探していきます。少し下流側へ場所を移動して、気持ち早めのランチタイムにしました。
 2:30頃まで活動した成果は、コクワガタの成虫♀、幼虫多数。カミキリの幼虫多数。小型スズメバチ成虫数頭。マイマイカブリ5頭でした。中には、タマムシの幼虫もいました。(少し細長い体をしています)身近な多摩川に残された自然に改めて驚かされます。 

        
ウスバカミキリ(上)とクワガタ(下)の幼虫       マイマイカブリ(♂、♀)

 和田先生とは、かれこれ30年以上のお付き合いになります。理科の先生で、虫博士です。自称、カミキリの専門だそうです。私は、同じアウトドア派ではありますが、釣りなものですから、魚や水生昆虫ならそれなりに知っていますが…。もう20年以上前になりますが、私が6年生を担任していた学年に4人の昆虫クラブメンバーがいました。泊りがけで一緒に出かけたことをつい先日のように記憶しています。とても懐かしく、楽しい思い出です。そのメンバーの一人は、和田先生との出会いがきっかけで、現在もトンボの研究家として大学で研究を続けています。