明星学園

トピックス(小学校)

お知らせ

良い年を

校長だより
1.クリスマスツリー
今年も4、5年生の昇降口にクリスマスツリーが飾られました。このツリーは現6年生のあるご家庭が昨年寄贈して下さったものです。ツリーには沢山の願い事が掛けられていました。その大半は「コロナが終わりますように」というものでした。コロナを収束させるためには「感染予防」だけでなく「感染拡大防止」も必要です。終息が望めない中、安全なワクチンの開発や治療法の確立が急がれています。専門家も懸命に努力してくださっています。私たちも今できることに責任を持ち、来年こそはコロナに支配されない自由な世界を取り戻しましょう。

2. 学校の熱量
2学期も色々と不自由を強いられる中で比較的静かな日々が続きましたが、時には同日に6年生のマット運動発表会、5年生の土器焼き、2年生のストーリーテリング、3年生のどんぐり染め、6年生の炉炊き(鉄作り)、6年生の保護者会と賑やかな日もありました。改めて学校の熱量を感じました。

①マット運動の発表会
マット運動の発表会では、司会の子どもから「明星学園のマット運動は、一人ひとりが技を習得して発表するだけでなく、グループやクラス全体で一つの作品を作り表現するところまで追求します」との紹介がありました。会場では1年生と3年生がワクワク・ドキドキしながら聞き入っていました。
発表会で表現される演技は、表現者側からすれば練習と結果が統一されたものです。しかし鑑賞側からすれば、結果から練習の過程を読み取らなければなりません。6年生の演技は本当に素敵でした。思わず涙がこぼれました。そしてその演技を見ながら「どうすればこのような表現をすることができるのか」と思いを寄せました。作品が完成するまでには様々なドラマがあった筈です。そのドラマを経る中で、6年生は素晴らしい作品を完成・表現する事ができたのです。普段ない感動が会場を一つにしたことは言うまでもありません。日常的に行動を共にしている1年生にとっては、6年生が益々愛しい存在になったようです。
両クラスの発表後、司会の6年生が感想を求めると、1、3年生の手が次々と挙がりました。堂々と意見を述べる1、3年生。それを嬉しそうに聞く6年生。集団マットの価値が子どもたちの手によって伝えられていく様子を嬉しく見守りました。
   
②土器焼き
マット運動の発表が終わると、土器焼きへと走りました。パチパチ・モクモクと火が焚かれています。その中でじっくりじっくり縄文土器が焼き上がっていきました。机上の学習に止まらず、体験を通して知識をより確かなものへ高めていくところに明星の教育があります。全ての工程を身体で感じ、自己を変革しながら、フィナーレへと向かいます。土器が焼き上がったときの感動。どの顔にも笑顔が漲ります。「今年もこの笑顔に出会えた」その喜びが土器焼きの価値を確固たるものに高めてくれます。
 

③炉炊き
経験は合理性をもたらします。土器焼きを終えた江口先生は、一石二鳥とばかりに炉炊きに入りました。翌週には6年生の鉄作りが控えていたのです。江口先生は10月に加曽利貝塚への社会科見学、その後奈良への修学旅行、11月には黒曜石を使った矢じり作り、そして今日は土器焼き、翌週には鉄作りが控えています。子どもたちの為に身体を張って下さる江口先生に深く感謝です。
 

④ストーリーテリング・どんぐり染め
目の前で土器焼きの火がパチパチ・モクモクと焚かれる中、図書室では「ストーリーテリング」、総合学習室では「どんぐり染め」が行われていました。ストーリーテラーの方はこの中で子どもたちをお話の世界に引き込むのです。その仕事は正に職人技です。
3年生はこの日の為に、別日に小金井公園までドングリ拾いに出かけていました。自分でドングリを見つけ、拾い、学校まで運んできたのです。この日はいよいよドングリを煮出し、思い思いにハンカチを染めました。その取り組みの手慣れたこと。そしてその出来映えの素晴らしいこと。1年生の「みいつけた」から始まった学びが教科にも総合にも活かされ、その中で豊かな人間・集団に育つと共に、その耕された人間が自分の頭と目と手を使って自由自在にモノを作りだしていく姿を目の当たりにすることができました。
3年生は、この2学期に倉本農園にも出かけ、大根の間引きと収穫を体験しました。その後ナイフ作り(熱した鉄釘をハンマーで叩いてナイフを作る/ナイフを研いで切れ味を良くする)にも取り組み、最後は教室前の畑で育てた大根を切って、完成度を確かめました。



⑤ビー玉すべり台
上記と同じ日ではありませんが、1年生の教室を覗くと、小さな大工さん達が、長方形の木の板に金槌で釘を打ち込み「ビー玉滑り台」を作っていました。昼休みも返上し、デッキに出てトンカントンカンする大工さん達。その顔には喜びが漲っていました。新しい体験や学習は、子ども達に新たな喜びをもたらします。またその中では、新たな自分の素晴らしさや、新たな友達の素晴らしさも発見することができます。正に「響育」と「共育」です。私が33年前に出会った光景が今でも続いていることを嬉しく見守りました。
   

⑥藍染め
別日ではありますが、2年生が藍染めに挑戦し、世界に一つだけの藍染めTシャツを作りました。Tシャツだけでなく、体中が藍に染まっていました。出来上がったTシャツを誇らしげに着る2年生。どうやらこのまま電車やバスに乗って家まで帰るようです。担任の岡先生も世界に一つだけのTシャツを誇らしげに着ていました。そしてその顔も藍に染まっていました。
2年生は、別日に藍染めTシャツを着て『スーホの白い馬』の朗読発表を行いました。スーホの白い馬では、全編を通して「スーホと白い馬との関わり合い・友情」というものがあり、子どもたちはそこに一つの理想を見ることができます。殿様を否定的人物として、白馬とスーホとの関係を理想の「こうありたい」という人間の姿として獲得していきます。「こう生きたい」「こうありたい」「こうありたくない」という人間認識に関わることも文学教材を指導する上では大切になります。
文学教育では「人間とは何か」を、哲学ではなく、宗教でもなく、面白さを含む作品の中で探求します。「白馬の命を奪われることによって、楽器に変身して、永遠の愛を築きあげる」そこには「失うことによって得る」という面白さがあります。そういう面白さや楽しさと、言葉表現の力と人間の真実といったものを学んでいくことが、文学教育の大きな目標に位置づけられています。
子どもたちはスーホと白い馬を読み込む中で、ギリギリ想像力を発揮して、言葉からイメージを描き、切実な文学体験をする中で、言葉表現の力を育ててきました。その学習を経た子ども達の発表は、強いメッセージ性を帯びたものであり、深い認識と感動を得ることができました。
   

この2学期の終わり、日々の授業の中では、4年生の方言による『かさこじぞう』朗読発表会や2年生の小刀での鉛筆削り、3年生の「自転車」安全教室、1,6年生合同のミニ運動会など、他にも様々な取り組みが行われました。