明星学園

トピックス(小学校)

お知らせ

年度末をむかえて

校長だより
 春を感じて
立春を過ぎ、日ごと春を感じるようになりました。梅の花に心が和み、木々の芽吹きに心が躍ります。学園の池にも近々、主であるヒキガエルが産卵に訪れ、4月にはまた沢山のオタマジャクシが新一年生を迎えてくれることでしょう。春は命を感じますよね!
現在井の頭キャンパスには、40種の木が植えられています。その一覧を元校長の一瀬先生が作成してくださいました。最終ページに添付させていただきましたので、是非ご覧下さい。

 子どもたちの様子から
私は毎朝正門に立ち、子ども達を出迎えています。毎朝子ども達と会えることは本当に幸せです。明星学園の合い言葉は「いつも げんきで にこにこ」ですが、日々を生きる子ども達は様々な壁と対峙しています。新型コロナウイルスもその一つです。
私は子ども達の表情を見ながら声かけをしています。そしてその反応から子ども達の様子を読み取り、気になることがあれば新たな声かけをしています。また、そのことを先生方と共有もしています。子ども達は日々成長しています。刻一刻、日ごと、月々、年々という具合に!常に同じ子どもはどこにもいません。また、子ども達には一人ひとり掛け替えのない個性があります。生活環境も異なります。その子ども達が日々集って一つの世界を構成するのです。そこでは日々子ども達の様子をしっかり読み取り、子ども達と共に世界を創造することが必要です。“Make a better world for you and for me.”です。教師から発せられる言葉も、子ども・子ども達との対話の中から引き出されていきます。
今年度はコロナによって全ての人が想像以上のストレスを抱えています。自由人である子ども達もその例外ではありません。そのような中、子ども達は頑張って登校してきています。その頑張りに学校はしっかり応えなければなりません。コロナ禍故に再度、学校とは何かを問い直し、子どもたちと共に歩みを進める中で、その価値を吟味していかなければなりません。一年生との出会いは6月からでしたが、この数ヶ月間を経て子どもたちは、本当に素敵な一年生に育ってくれました。六年生とは6年間を一緒に過ごしてきました。決して平らな道ではありませんでしたが、「強く・正しく・朗らか」な6年生に育ってくれました。6年間という時間を共に過ごすことができ、顕著な発育・発達に寄り添える小学校の時期は正に、教育の宝庫です。これからも、目に見えない発育・発達も含め、日々豊かに育つ子どもたちとの時間を、大切に過ごして参ります。今年度もいよいよ年度末を迎えました。緊急事態宣言との関わりで残念ながら「一般発表」を行う事が出来ませんが、これまでの生活・学習に、一年間の総まとめである学習発表会を加え、子ども達の持っている力を更に引き出し、一年間の成長・発達を振り返りたいと思います。

 終わりは始まり
一つの「終わり」は新たな「始まり」でもあります。どのように年度末を迎えるかは年度末だけでなく、新年度を迎えるに当たっても大きな意味を持ちます。
今年度はコロナ禍におかれ、沢山のものが失われました。しかしその一方で、コロナ禍故に気づかされたこと、新たに創造されたものも沢山あります。それらを振り返る中では改めて、「人間・社会とは何か」が見えてきます。一年間を、また、一年一年を顧みたとき、そこにはいずれも「人間・社会」があり、「もの・こと・ひと」との出会いの中で「自分」と「人間・社会」が成熟していることがわかります。年度末は人間・社会に於ける一つの区切りに過ぎませんが、そこでの集大成は来年度以降に繋がっていきます。またその到達点からは、人間・社会との関わりも顧みることができます。
自立と依存の関係で言えば、年度末はいよいよ自立が求められる時期でもあります。今年度の自立と依存の関係を振り返るとき、そこには一年前とは違う自分がいることが見えてくるのではないでしょうか。今年度中に確立した「もの・こと」は新しい年度に引き継がれていきます。しかし「ひと」は時に新たな世界へと羽ばたいていきます。そしてその事はまた新たな出会いをも意味しています。小学校をリードしてきた6年生は3月17日に卒業式を迎え、いよいよ中学校へと羽ばたいて行きます。これまでの出会いに感謝すると共に、これまで以上に一日一日を大切に過ごし、自立を自覚する中でまた来年度も新たな「自立」と「依存」の関係を築く中で豊かな世界を創造できるようにしていきましょう。

 縄跳び
体育の授業で縄跳びが始まりました。日に日に上達する姿に驚かされています。
授業と生活が往還することはとても大切です。授業で出会った新たな価値を認めた場合、子どもたちは生活の場にそれを持ち込み、自ら探究・活用し始めるからです。学校では一日中、至るところで縄跳びに取り組む姿が見られます。そして主体的な学びの中でどんどん上達しています。子どもたちの意欲に応えようと、体育科の冨田先生が縄跳びボードを購入してくださいました。このボードが子どもたちの習熟を一段と高めています。リラックススながら気持ちよく跳ぶことが出来るからです。中には三重跳びを軽々こなしている子どもも見られます。
縄跳びではジャンプすることが必要になります。高くジャンプする場合は腕の動作を使う事も必要になります。それは理にかなった動作だからです。しかし縄跳びの時にこの動作を行うと、ジャンプと一緒に縄も持ち上げられ、縄が足に引っかかってしまいます。またこの場合は首と肩に力が入り、縄を早く回すことも出来なくなります。二重跳びで躓く原因がここにあるのです。二重跳びが出来るためには、出来るだけ縄を軽く持ち、手首を腰の位置に固定し、手首を出来るだけ柔らかく使いながら縄を回す(回すよりも鈴を鳴らす感じで親指を縦に振る) ことが必要です。つまり高くジャンプするときとは反対の動作をしなければなりません。これが縄跳びで求められる「制御」です。縄跳びボードを使うと、リラックスした状態で、小さな動作で高く飛ぶことができます。このため、リラックスと共に縄跳びに必要な制御を習得しやすく、その事が子どもたちの習熟に繋がっていくのです。どんどん上達するので、子どもたちは学習意欲・表現意欲に溢れています。至る所で「見て、見て」と声がかかります。私は「凄いね~」「上手だね~」と声をかけます。すると子どもたちは満面の笑みを浮かべまた練習に戻っていきます。縄跳びを通じて子どもたちは新たな自分を発見しているようです。子どもたちと喜びを共有した瞬間そこには「生きるが楽しい」が広がります。