明星学園

トピックス(小学校)

お知らせ

新たな出会いを大切に

校長だより
1, 新たな出会いを大切に
待ちに待った新学期がスタートしました。一学期は7名の転入生、70名の新1年生、4名の新しい教員(一人は中学所属の音楽科)が小学校の一員となります。新たな出会いを大切にしながら、皆でみんなが幸せでいられる世界を、創造していきましょう。Make a better world for you and for me.
 入江副校長の退職に伴い、今年度より照井が副校長に就任しました。今年度は剛力・照井で小学校をリードしていきますので、宜しくお願いいたします。

2,教育理念
 明星学園の創立者は、「人そのものを育てる」ことを目的とし、自然豊かな武蔵野の地に学び舎を構えました。辺り一面は深き木立。そこを抜けた麦畑の上に学び舎を構えたわけですが、農家の方が丹精込めて育てた麦を刈り、畑を潰してその上に学び舎を建てることには、深い懺悔の念がありました。しかし、麦よりも大切な人という宝を育てることを心に誓い、夢と希望に燃えて校舎建築に踏み切ったのでした。
「人そのものを育てるとは何か」を考える中で創立者は、「個性尊重」「自主自立」「自由平等」を教育理念に位置づけ、それを具現化すべく独自に教育課程を編成し、子ども達への教育実践に当たりました。「個性尊重」が最初に位置づけられている通り、創立者達は「理論に子ども達を当てはめる」のではなく、子ども達の示す事実に基づいて、理論をより確かで豊かなものに高めてきました。科学的研究に基づきつつも、常に子ども達との対話を重ね、その中で理論の正しさや豊かさを検証し続けてきたのです。学園は5月15日に創立97周年を迎えますが、教育理念は燦然と輝き続けています。学びの主人公は一人ひとりの子どもであり、子ども達です。これからも一人ひとりの子どもと、子ども達の示す事実に学びながら、理論と実践をより確かで豊かなものへと高めて参ります。

3, いつも げんきで にこにこ
学園の教育理念を、1年生でもわかる言葉で表現すれば、「いつも げんきで にこにこ」となります。とてもわかりやすく、表現もしやすいので、小学校の合い言葉にしています。入学のお祝いにこの合言葉をプレゼントしていることもあり、入学間もない新1年生からは、「いつも げんきで にこにこ先生」と呼ばれたこともありました。
在校生や在校生の保護者の皆様は、「またか!」と思われるかも知れませんが、「いつも げんきで にこにこ」程、大切なものはありません。これは全世界に通ずるものなのです。
私たちは幸せを求めて生きているのであり、全てはそこに繋がらなければなりません。勿論、大きな壁に出くわすこともありますが、その壁も幸せへと繋がるものですから、大きな壁ほど力を合わせ、方法を工夫して、乗り越えていくことが必要です。壁を乗り越える上では苦労も伴いますが、それは幸せへと繋がる道ですから、そこには常に喜びが漲っています。大切なのは幸せに向かって歩むこと、「どうなるか」ではなく、「どうしたいか」に基づいて判断・行動できることです。よく考えればあたりまえのことですが、現実社会においては往々にして逆の方向に進んでいる事例が見られます。
明星学園小学校では、「いつも げんきで にこにこ」を合言葉に、教育内容と方法を精査し、一人ひとりとみんなで、「生きるが楽しい」を具現化して参ります。子ども達が毎朝元気に登校し、一日を豊かに過ごし、「あー今日も楽しかった。早く明日にならないかなあ」と呟きながら帰路についてもらえるよう、努めて参ります。保護者の皆様にも、ご理解・ご協力いただけますようお願い申し上げます。

4, 「良いメガネ」と「悪いメガネ」
2020年度の卒業式前日、一人の6年生が私に手紙を届けてくれました。そしてその手紙には「いつも元気でニコニコ」「悪いメガネではなく良いメガネで見よう」。「剛ちゃん、いつまでも私の心に残るような素敵な言葉をたくさんありがとうと」と書かれていました。思わず涙が溢れました。
悪いメガネを掛ければ、悪いところが沢山見えてきます。良いメガネを掛ければ、良いところが沢山見えてきます。私は良いメガネを掛けたいと思います。そして子ども達にも、保護者の皆様にも、良いメガネを掛けていただきたいと思います。
人間・社会は完璧ではありません。そこには課題がつきものです。悪いメガネを掛ければ更なる課題が見えてきます。そしてそれを批判・否定するようになります。良いメガネを掛ければ、課題を良い方向に導くことが出来ます。自分が助けたり、自分が助けられたりする中では、肯定感が育まれます。より良く生きることを目指し、他者と力を合わせていくとき、そこには「生きるが楽しい」が広がります。手紙を届けてくれた6年生は、良いメガネを掛けることによって「生きるが楽しい」を味わうことが出来たようです。その世界を伝えることができたことを教師として嬉しく思っています。
手紙を届けてくれた6年生とは、1年生から4年生まで一緒に体育の授業をすることが出来ました。2015年の秋、この子達が1年生だった時、授業を終えた後に私は学園のHPに次のような感想を書きましたので、ご紹介させて頂きます。
「最後はみんなでサークルをつくり、青空を見上げ、平和で素敵な時間を送れたことに感謝して、授業を終えました。子ども達の笑顔は最高の宝です。その笑顔がもっともっと輝くように、環境を整えていかなければなりません。その事が大人の幸せにも繋がるわけですから。」※2030年を達成目標としたSDGsにも真剣に取り組んでいかなければなりません。

5, ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず
私たちは日々、環境との対話を繰り返し、自己を形成し続けています。「ゆく川の流れは絶えずして、されどもとの水にあらず」というのは、主体である私たちの側にも、客体である環境の側にも当てはまります。時の流れの中では、同じ自分も同じ環境もあり得ません。仮に環境の側を固定したとしても、主体である自分が成長していれば、同じ環境というのはあり得ないのです。「あの時は!」と回顧するがごとく、同じというのは記憶の中での出来事であることを確認したいと思います。
それでも記憶は大切です。とくに自己肯定感に繋がる記憶は宝にしなければなりません。その上に、より豊かな環境の中で、より素敵な自分を形成して行くことが大切です。その逆に、コンプレックスがある場合は、新たな環境の中でそれを取り除き、豊かな自分を形成していけば良いのです。明星学園はそのような環境であり続けたいと思います。失敗は成功のもとです。大切なのは失敗を成功への糧とすることであり、それを最大限に支援できる環境があることです。「強く・正しく・朗らかに!」「あの時もこうだったけど、今はもっと素敵になれた」「あの時はこうだったけど、今はこんなに素敵になれた」「あの時はこうだったけど、みんなのお陰で今もこうしていられる」と振り替えられる豊かな環境を、みんなの力で創造していきましょう。さあ一年間が始まります。どんな一年になるか楽しみです。