明星学園

トピックス(小学校)

お知らせ

良いお年を

校長だより
1、二学期から三学期へ
 日本では四季折々に、自然の織りなす美を楽しむことが出来ます。その美しさに感動し、思わず足が止まります。秋から冬にかけては、紅葉と銀杏が美をコーディネートし、その中で個性を際立たせていました。
 東京オリンピック・パラリンピックが懐かしいのは私だけでしょうか。8月中旬は新型コロナウイルスの陽性者が5000人を超え、学校を運営する側としては、二学期の再開に向けて頭を悩ませていました。
 デルタ株も発生し、感染対策をより強化させての再開となりましたが、日に日に感染者数も減少し、振り返ってみれば宿泊行事も含むほぼ全ての教育活動を、予定通りに行うことが出来ました。ご支援くださった全ての方々に心より感謝申し上げます。
 一番の難関であった国際関係に関しても、姉妹校であるWoodend Primary School(オーストラリア)から受け入れの許可が出されるなど、回復の兆しが見えましたが、「短期留学実施」のお知らせを配布しようとした矢先にオミクロン株が発生し、泣く泣く断念せざるを得ませんでした。6年生にとっては最後のチャンスでしたので、本当に残念でなりません。
 「短期留学再開の夢」は叶いませんでしたが、英語科は新たに取り組み始めた「タブレット」を用いた授業の中で、オーストラリア(アデレード)と台湾(台中)にある姉妹校の子どもたちとの交流を続けています。その様子については、英語科の秋枝より、今号の中でご報告させて頂きます。
 三学期は通常の授業に加え、一年間のまとめである「学習発表会」と、六年間のまとめである「卒業式」を行います。6年生は卒業までに「卒業論文」を書き上げなければなりません。この冬休みは6年間で最も忙しい冬休みとなります。
 コロナ禍(新種株の発生)における学校運営に於いては、引き続き感染予防を強化することが必要です。日常的にご来校頂けないことは大変心苦しい限りですが、学習発表会と卒業式には保護者の皆様をお招きし、子どもたちの成長・門出を共に喜んで頂きたいと考えておりますので、ご理解・ご協力の程、宜しくお願いいたします。
 本日で長い二学期が終わり、明日から冬休みに入ります。おじいちゃん・おばあちゃんは、孫との久々の再会を、楽しみにしている事でしょう。東京オリンピックに続き、紅白歌合戦にも2名の卒業生が出場します。ご一家で明星生の活躍を応援して頂ければ幸いです。
 三学期の始業式は、1月11日(火)です。皆様、良い冬休み・良い新年をお迎え下さい。

2、英語科の取り組み
 本校には海外に2校の姉妹校があり、4、5年生の春休みに12日間オーストラリア、6年生の冬休みに台湾への短期留学プログラムがあります。また毎年秋には姉妹校から留学生が訪れ、全校のご家庭からホストファミリーを募り、4〜6年生のクラスがホストクラスとなり、留学生と学校生活を共にします。
 しかし新型コロナウィルスの蔓延により、2019年3月のオーストラリア短期留学以降、すべての国際交流プログラムが中止となっています。台湾のドンハイ小学校とは3年目、オーストラリアのウッドエンド小学校とは10年以上毎年行われていた交流がストップしてしまうという状況に、なんとかして交流を続けられないかと、昨年から4~6年生は英語の授業時間を使って、本校と姉妹校の教室をZoomでつなぎ交流を行うことを始めました。教室にいながら、飛行機で何時間もかかる遠くの国にいる姉妹校の友だちと「会える」なんて、子どもたちはドキドキワクワク!姉妹校の子どもたちがスクリーンに映ると、皆一斉に「Hi!」「Hello!」と言いながら笑顔で手を振ります。
 これは大きな第一歩でした。その地に足を踏み入れ、その土地の香りを感じながら現地の方々と生活を共にすることは何物にも替えられない貴重な体験である一方で、本校の短期留学プログラムは全員が経験できるものではありません。そのため、本校に通うすべての子どもたちが等しく経験できるこの活動はとても意義があるものだと感じました。と同時に、夢はさらに膨らみました。ビデオ会話の特性により、音声がクリヤに聞こえず何度か言い直さなければならなかったり、会話に時差が生じたりもします。また、お互い30人で一つの会話を展開するわけですから、画面に一人ひとりの顔が大きくハッキリ映るわけではなく、通常会話をするように、お互いの目を見て顔を見て話すような会話はできません。そこで、もっと一人ひとりが、少しでも通常の会話に近い形で相手とコミュニケーションをとれるような環境を作ってあげたい、それにはどうしたら良いのかと考えました。その中で、一つの施策はタブレットを入手することでした。
 タブレットの導入はすぐに実現できるものではなく、様々な方々のお力添えをいただきながら、構想から約一年かけて、今年の秋にやっと、本校で初めて英語科としてiPadを導入し、高学年を中心に英語の授業内で活用を開始しました。まずは2人で1台の導入です。どの学年、どのクラスも、パートナーと協力しながら上手に活用しています。その様子を見ていると、2人で1台使用することは、個々の学びが50%になるのではなく、それぞれの学びが100%以上になっているかのように感じさせられるのです。まさに協働的な学びのすばらしさです。また、インターネットを介しての使用には守ってもらわなければならない約束がいくつかありますが、そちらも心配無用。子どもたちはしっかりマナーを守り、学習を楽しんでくれています。初めてのタブレット導入に際して教員が想定していたいくつかの懸念はどれも杞憂に終わりました。
 iPadは、一人一人の言語学習活動をより豊かにしてくれます。5年生は今学期、ウッドエンド小学校とのZoomでの交流をする前に、まず1人ずつ英語で自己紹介動画を撮り、ウッドエンド小学校に送りました。それを見たウッドエンド小学校からは、一週間後に今度はオーストラリアの子どもたちががんばって日本語で自己紹介している動画が送られて来ました。お互いに、勉強している外国語を使って作った自己紹介動画を交換してからZoomで交流をしたのです。そのため、もともと用意していた、オーストラリアと日本の違いにまつわるクイズなどの活動以上に、お互いの興味や関心ごとに関する質問がたくさん出て、パーソナルなコミュニケーションが盛り上がりました。事前にお互いのことを知る機会があったため、相手のことをより深く知りたい、このことを聞いてみたい、伝えたい、という気持ちが生まれたのだと思います。4年生は、今年度はじめてウッドエンド小学校とZoomでの交流を行いました。それまで学習していた表現を使いながら、明星の子どもたちは英語で、ウッドエンドの子どもたちは日本語で動物あてクイズを楽しみました。6年生は、冬に訪れる機会がなくなってしまった台湾
のドンハイ小学校と、こちらも学習していた表現を使ってさまざまなクイズを出し合いました。6年生らしい相互のやりとりが繰り広げられました。
 デジタルデバイスを活用したのは高学年だけではありません。3年生は、iPadを使って『英検ジュニアオンラインラーニング』を体験しました。英検ジュニア(テスト)のオンライン学習ツールです。この度、3、4、5年生の子どもたちは3ヶ月の無料アカウントに恵まれました。授業以外の時間に、楽しみながら英語に触れることのできるツールです。またこれを機に、本校ではじめて3年生にも英検ジュニアテストの受験機会を広げました。
 2年生も今学期はじめての試みを行いました。アメリカカリフォルニア州ロサンゼルス在住、秋枝の知り合いの、児童教育のスペシャリストであるアグネスさんがZoomを介して教室のスクリーンにサプライズで登場しました。「Hi, everyone!」アグネスのいきなりの呼びかけに、子どもたちはびっくり!月曜日の1、2時間目の授業だったのですが、アグネスさんがいるロサンゼルスは日曜日の夜とのこと。子どもたちは突然の出来事に始めは少し混乱しつつも、スクリーンから笑顔でどんどん話しかけてくるアグネスに興味津々!「アグネスになにか聞きたいことある?」と聞くとたくさんの手が上がりました。「好きな色は?」「好きな食べ物は?」「スイミングはできる?」子どもたちからの質問は止まりません。ひとしきり質問を聞き終わった後
は、アグネスが作ってくれたビンゴゲームを楽しみました。授業が終わってからも、私の元には「わたしアグネス大好き!」「次はいつアグネスに会えるの?」「アグネスに明星に遊びに来てほしい!」など、アグネスと出会えて楽しかった、まだつながっていたい、という気持ちがたくさん届きました。このことを通じて私は、人は誰しも、生まれながらにして「人とつながりたい」「いろいろな人とつながることは楽しい」というあたたかい気持ちを、当たり前の感情として持っているんだ、ということを再認識しました。そしてそれには、住んでいる場所や話す言語は関係ない、ハードルになるべきものではない、ということも。そこに外国語学習の存在意義があると考えます。世界の色々な人々とつながりたい、世界の色々なことを知りたい、この気持ちこそが、外国語学習の源です。子どもたちのこの気持ちを大切に、それが満たされるようサポートし続けること、そしてそのようなモチベーションを子どもたちが持ち続けられる環境を作り続けることが、英語科教員として忘れてはならない軸であると再確認しました。3学期も様々な活動を予定しています。是非楽しみにしていてくださいね。そして近い将来、様々なバックグラウンドそして海外でのご経験を持つ保護者の方々のお力もお借りしたいと考えています。子どもたちに豊かな授業をつくっていくために、是非引き続き応援とご協力をお願い致します。