明星学園

トピックス(小学校)

お知らせ

明日から夏休み

校長だより
1.1学期の終わりに

 明日からいよいよ夏休みに入りますね。昨年の夏休みはずっと緊急事態宣言下だったので、思い切って遊ぶこともできなかったのではないでしょうか。今年はそのような宣言も出ていないので、コロナに対しては十分に注意しながらも、楽しい夏休みを過ごしてもらえればと願っています。
 夏休みに入るとすぐに、高学年の千倉行事が始まります。残念ながら最初の5年生に関しては感染者が多く出たため中止となりましたが、4年生と6年生に関しては予定通り実施します。この千倉行事、2年ほど間が空いてしまい、しかも今までとは違う形態の実施ですが、6年生にとっては最後のチャンスですし、4年生にとっては来年以降につなげる意味もあるので、まずは千倉での生活がどんなものなのかを知ってほしいと思います。
 この千倉行事、私の知っている限りで言えば、このコロナ禍以外にも中止がありました。2011年の東日本大震災があった年からです。津波と放射能の両側面を考え、この年から数年間、夏季行事の場所を長野県の黒姫高原に切り替え実施していました。黒姫の施設はとても広く、4〜6年生の全児童を一度に連れて行き、宿泊は縦割りにするなど、それまで実施したことのない形態も試みてみました。黒姫ではラボランドという施設に宿泊し、3学年で登山を実施したり、野尻湖の周辺でアクティビティをしたりしてきました。ただ東京から遠いこともあり、現地に行くまでに半日潰れてしまうことが難点でした。その後はまた元の千倉行事を再開し、今に至っていると言う状況です。

 さて、この夏休み、こどもたちはどう過ごすのでしょう。何か目的を持って過ごすことができるといいですよね。長い休みですから、じっくりと取り組むことができるようなこと。子どもたちの中には、一つのことにじっくり取り組むことができるタイプと、短い時間に最大限の力やエネルギーを発揮できるタイプがいます。周りかれすれば、後者の方が目立ちますし、印象も強いものになります。でも前者も大切です。両方できることが理想的ですが、どちらかでもいいと思います。そして自分の苦手だと思っている方を、この夏休みに一度は頑張ってみてはどうでしょうね。毎日同じものの観察を続ける。一日かけて近くの公園を調べつくす。日記を続ける。2学期最初に行われる「夏休み作品展」の作品を作る、などなど。自分にあったものを決めてやるといいと思います。
 夏休み明けの作品展やみんなが頑張ったことの報告を待っていますね。
 それでは怪我や病気のない楽しい夏休みを過ごしてください。
 二学期に会えることを楽しみにしています。

2.季節の移り変わり

 夏真っ盛りの7月と8月。外は暑くて生き物の観察には適さない時期かもしれません。でも子どもにとってはチョウやトンボを追いかけたり、川に入って魚を捕まえようとしたり、いろいろできる時期でもありますね。昆虫は標本にするのではなく、写真におさめるだけでもいいのかもしれませんし、もし魚を釣ったのなら食べる前に魚拓をとって記念にするという方法もあります。
 観察するという点では、朝早く公園に行くと、セミの羽化を見ることができるかもしれません。夕方以降はコウモリが飛び回っていたり、カラスウリの開花を見ることができたりもします。このカラスウリ、小さなスイカのような実ができ、その後オレンジ色になることでご存知の方も多いと思いますが、夜に白い花を咲かせることはあまり知られていないのかもしれません。夕方から2時間ぐらいかけて開花するのですが、そんな観察もできるといいですね。なかなか幻想的な花です。

 少し前のこと。まだ明星学園に「昆虫クラブ」「昆虫同好会」があった頃、夏のイベントといえば、「夜の高尾山で昆虫採集!」でした。8月の初旬、元校長の和田先生と一緒に、夜の高尾山に出かけます。登ることが目的ではないので、最終のケーブルカーに乗って山頂まで行きます。引率の大人は山頂駅のそばにあるビアガーデンをうらめしそうにみながら先へと進みます。山頂周辺で、いろいろな昆虫を探します。クワガタやカブト、そしてなかなかお目にかかることのできないヨコヤマヒゲナガカミキリもいます。「何かいた!」って思って光を照らして見ると、ゴキブリだったりもします…。私も何回か引率したのですが、この夜の高尾山、結構採集目的の方がいるんですよね。それもかなり専門的にやられている方が。そんなみなさんの様子を見ながら、少し涼しい夜の山中を歩くのも楽しいです。山頂から眼下に広がる多摩地域の夜景はなかなか綺麗で、うまくタイミングが合えば、打ち上げ花火(昭和記念公園の花火でしょうか?)を上から見ることができます。さらに運がよければ、高尾山に生息しているムササビを見ることができるかもしれません。(私は過去鳴き声のみでした。木から木へと飛び移る姿、見たいですよね。)

3.ほんのちょっとの紹介

 今回は夏休みにどうかなと思う本をほんのちょっと。今回は高学年に偏ってしまいましたが…。
 まずは卒業論文のテーマをそろそろ決めなければならない6年生に向けて、『ダーウィンと出会った夏』を紹介します。科学者の卵として何から始めたら良いのか、明星の小さな科学者たちにも参考になる道筋が書かれていて、その過程がわくわくします。主人公は新種を発見できたでしょうか。続編も出版されていますので、あわせて読んでみてもいいかもしれません。夏休みのような時間のある時に読む作品として、丁度いいと思います。(ジャクリーン・ケリー作・斎藤倫子訳・ほるぷ出版)

 次はもう古典の部類に入ってしまうかもしれませんが、今でも色褪せずに残っている作品『クローディアの秘密』です。家出をしようと決心し、弟と一緒に家をでた主人公の行った先は、なんとニューヨークのメトロポリタン美術館。その家出に必要なものは、計画と相棒と衣食住。これらをしっかりと準備し、美術館での生活を始めます。そしてとあることから展示されている「天使の像」が本物かどうかを調べ始めます。ミケランジェロが作った本物なのか、それとも偽物なのか。自分の仮説を立てるという意味では、これもまた6年生の卒業論文につながるかもしれませんね。(E.L.カニグズバーグ作・松永ふみ子訳・岩波少年文庫)
 本当は私が児童書の中で一番好きな作家、ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』や『神秘の島』も紹介したいんですよね。それに低学年ではプロイスラーの『小さい魔女』なんかもおすすめだし、最近私がはまっている斉藤倫の『どろぼうのどろぼん』などは大人が読んでも面白いですよ。ぜひ、思い出の一冊に出会ってくださいね。