明星学園

トピックス(小学校)

お知らせ

秋も深まり…

校長だより
1.修学旅行
 10月の19日から21日まで,6年生と一緒に奈良の修学旅行へ行ってきました。この修学旅行,奈良に変更してから随分と時が経ちました。もう四半世紀は奈良での修学旅行を行なっているのではないでしょうか。
 私が最初に6年生を担任した時の修学旅行の行き先は飛騨高山でした。長野県の上高地から峠を越えて岐阜県の奥飛騨へと抜ける峠道は,バスと乗用車がすれ違うのも大変だった時代のことです。飛騨高山もいろいろな見所があり楽しかったですね。修学旅行中の夜に台風が通過した時もありました。しかし次の日は台風一過でとても良い天気となり,行事を大きく変更することなく戻ってくることができました。
 その後,社会科を教えていたベテランの先生と江口先生が中心となり,修学旅行を奈良へと変更したのですが,その変更するときの下見には私も同行していました。その時は大阪まで行ってレンタカーを借り,大仙陵古墳(仁徳天皇陵)や近つ飛鳥博物館などを経由して奈良へと入りました。その当時はカーナビもなく,社会科の先生が二人して地図を見てはいるのですが,いやいやどうして…。運転していた私はその辺りの土地勘がなかったので「どっち?」と聞くのですが,返事は来ず。なかなかの珍道中でした。
 また奈良で何をするのかということも考えなくてはなりません。もちろん東大寺の大仏さんは外せないのですが,ただお寺を回るだけでは6年生の子どもたちも飽きてしまいます。そこで奈良の文化を体験できることはないかと調べ,赤膚焼や鬼瓦作りなどいくつかのコースを考えました。赤膚焼はその時から現在までずっと小川二楽さんにお願いして,今年もまた旅館に来ていただいての陶芸教室となりました。残念ながら鬼瓦作りの方は諸事情で継続できていません。この鬼瓦作り,最初は奈良のお寺に瓦を納めている瓦宇工業さんというところにお願いしていました。東大寺大仏殿の鬼瓦などは人の背丈ほどもあるんですよね。その瓦宇工業さんも最初の下見でお願いをした体験の一つであります。
 そのような変遷を経て,現在の修学旅行の内容が固まってきたのだと思います。途中で遷都1300年があり平城宮の周辺はいろいろなものが復元され,キトラ古墳も壁画を見ることができる施設ができました。初めて平城宮跡に行った頃は,朱雀門さえできていませんでしたが,その後は朱雀門や大極殿,そして今年3月には大極門も復元されました。
 この平城宮跡には資料館があるのですが,その資料館の方に「明星の子どもたちはよく勉強しますね」とよく言われます。多くの学校がその資料館を訪れるのですが,多くはあっという間にいなくなってしまいます。他校と見学が重なった時もありましたが,確かにうちが先に入っていたのに,後から来た他校はあっという間にいなくなってしまい,後に残るのは明星の子どもたちなんですよね。このことは4年生が行く羽村の郷土博物館でも同じことが起きます。
 関西方面に修学旅行で出かけ,京都へは行かずに奈良だけで過ごすことも,現地の方々には驚かれます。しかし奈良だけでも見せたいものはたくさんありますし,一つ一つの活動を大切にしたいと考えれば,弾丸ツアーみたいなことは考えられません。社会科の学習が大きく関係するこれらの行事を,今後も大切にしていきたいと思います。
 修学旅行一つとっても,いろいろな変遷があります。行事中のハプニングなども含めれば,引率した先生たちの思い出話は尽きることがないでしょう。

2.入学試験が終わりました。
 今年も小学校の入試がひとまず終わりました。今年もたくさんの方に説明会や体験ひろばに参加していただきました。体験ひろばの方はコロナ禍ということもあり,人数をかなりしぼっていたため,何度も抽選で落ちてしまった方も多数います。それでも明星学園を希望し,受験してくれた方々には感謝の気持ちしかありません。
 来年度新一年生の人数については,まだこれから若干の動きがあると思います。年明け1月の新一年生保護者会で新入学の保護者の方々とお会いできることを楽しみにしています。

3.季節はかわり…
 11月に入り朝晩はずっと冷え込むようになりましたね。校内の木々も色づき始めました。特に正門のところにある桜は,今もどんどん赤や黄に色づいた葉を落としています。この紅葉(黄葉),同じ種類の木でも色づく時期は違うようで,同じタイミングとは限りません。例えば校内にあるイチョウの木も,木が違えば黄葉の時期が違いますし,校外のイチョウとも時期が違ってきます。
 先日,神宮外苑の銀杏並木を通りがかりましたが,そこのイチョウはすでに黄色くなり始めていました。ところが明星のグラウンドの端にあるイチョウはまだ緑色のままです。体育館の道路側にあるイチョウもまだ緑色です。神宮外苑のイチョウと明星のイチョウとでは何が違うのでしょうか。寒暖の差?しかしそのことで言えば,青山より井の頭の方が寒暖の差があり,黄葉化は進むのではないでしょうか。では日当たりはどうでしょう?校内でより日当たりがいいのは正門脇のイチョウと体育館の道路側のイチョウです。日中は同じように陽があたると思うのですが,正門脇のイチョウのみ半分程度黄色くなっていました。個体差と言ってしまえばそれまでかもしれません。しかし自分の老化を防ぐ意味でも,なぜだろうと自分の頭で考えることが大事だと思っています。

4.ほんのちょっとの紹介
 最近,児童書に関わる方々の訃報が続いています。今年の1月には東京子ども図書館設立のメンバーである松岡享子さん。そして9月末には『ぐりとぐら』の絵で有名な山脇百合子さん。そしてつい先日,長い間福音館書店を支え,多くの児童書や作家さんを世に送り出した松居直さんがお亡くなりになりました。この松居さん,明星とは縁がある方で,小学校の新校舎を建てている時の仮設校舎で講演をしていただいたこともあります。子育て中の読み聞かせのお話など,とても面白く伺った記憶があります。『こどものとも』や『ぐりとぐら』を世に出した編集者としての経歴はもちろんのこと,ご自身も『ももたろう』や『こぶじいさま』などの絵本を出版しています。私は小さい頃『だいくとおにろく』という絵本が大好きで,今にして思えばそれは松居さんの再話であり,絵は『スーホの白い馬』の絵を描いている赤羽末吉さんだったのですね。恐かった鬼にも間抜けな一面があると,少し安心させてもらった気がしていました。
(松居直再話・赤羽末吉画・福音館書店)
 ちなみにもう一つ松居さんの関係の本を。これは大人向けの本ですが,松居さんや中村桂子さんらの対談を一冊にまとめた本です。中村さんにも数年前に明星学園で講演していただいています。『リレートーク 言葉の力 人間の力』(舘野 泉・中村桂子・加古里子・松居 直・佼成出版社)