明星学園

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3年生「クスノキ鉛筆をつくろう」

先生ブログ
「クスノキ鉛筆をつくろう」~道具の学習「小刀を使ってみよう」~

 低学年棟(南棟)の前庭に大きなクスノキがあります。その枝を使って3年生の子ども達とクスノキ鉛筆を作りました。
クスノキは枝の中心部分(髄)が柔らかく、そこに穴を開けると、鉛筆の芯がスッと入ります。そして、小刀で削ると鉛筆のできあがりです。
 実物投影機(手元を投影するカメラ)を机上に置き先生の手元の様子をテレビモニターに映して、まず小刀の鞘の開け方から復習しました。
「勢いよく開けるとあぶないよ。親指でやさしくゆっくり押し出すようにしてあけましょう。」
子ども達は私が小刀の鞘を開ける様子をじっくりと見つめていました。キラリーンと刃が見えると、さらにまた、ちょっと緊張した面持ち。
「小刀って、ちょっとこわいよね。でもとっても便利な「道具」でもあるよね。正しい使い方をすれば便利で人間の生活にとても役立つ道具だけれど、間違った使い方をすれば大変危険な物。だから絶対にまちがった使い方をしてはいけない。これは世の中にある物のほとんどがそう言えるよね。たとえば、車。くるまっていろんな所に行けて便利だけど、危険な物でもあるよね。携帯電話(スマホ)だってそう。便利だけど、危険なこともある。便利と危険は裏表の関係ですね。だから正しい使い方をすることが大事。ぜったいに間違った危険な使い方をしてはいけないよ」
と話しました。みんなは真剣に聞いてくれました。
 小刀の握り方、クスノキの枝の支え方、枝を持つ手(右利きの場合は左手)そのときの手の位置、指の位置。小刀の刃の部分、触って良いところ、だめなところ、押し出し方、スピード、刃のむき、刃の角度などなど、一つ一つ確認していきました。
  
「たくさん、いっきに削ろうとすると、堅くてけずれないよ。ごはんつぶぐらいでいいから、小さく、こまかく、ゆっくり、ちょっとずつ削ってごらん。そうすると・・・?
 ほら、クルンとカタツムリみたいに削りかすが丸くなるでしょ。これをいっぱい作っていこう。それから刃を立てるとなかなか削れないよ。刃を寝かせて薄くけずってごらん」
などなど、説明を続けました。みんなはモニターに映る、私の手元の映像を見て
「カタツムリが出来てる」「黒い芯がみえてきた」
など少しずつ緊張がほぐれてきて、気持ちもだんだん「こわそう」から「やってみたい」に変わってきました。
小刀を1人ずつに配りました。そして、クスノキの枝も配りました。
こうして、1人3本から5本のクスノキ鉛筆をつくりました。指を切る子もなく、みんな上手に削れました。よかったよかった。世界にたった一つ、自分だけの鉛筆。大切にね。
 (※学校説明会用に「ちょっとちょうだい」と話すとたくさん寄付してくれました。ありがとう!)

(3年担任 冨田)