明星学園

お知らせ(中学校)

お知らせ

『新型コロナウイルス感染拡大に際し、君たちに伝えたいこと』

明星学園中学校生徒・保護者の皆さんへ(2020.4.6 更新)

 日々、どのようにお過ごしでしょうか。心待ちにしていた新年度の始まりがこのような形となってしまい、本当に残念なことです。様々な不安もおありでしょう。しかし、まずはご自身の健康を守るということを第一に考えていただき、校長からのお知らせにありますように学校再開の更なる延期の決定をさせていただきました。この間、生徒の生活のリズムを作るための分散・短縮登校、アプリを使った遠隔授業の可能性等、一方で検討してまいりました。
 ただ、バスや電車を使って登校する生徒の多い本校にとって、短時間のみの登校をさせることには大きなリスクを伴います。また、東京都のガイドラインにあるように対話や接触を避けながらの学校生活は、むしろストレスを与えてしまいます。明星教育の根本は授業内での対話であり、学びあいであり、生徒同士・生徒と教員間の熱い触れ合いにあります。また、遠隔授業については、ソフト・ハード両面において中学生対象にすぐ始めるには現実的に難しい面がございます。どうかご理解ください。
 
 学校再開日を5月7日(木)とさせていただくことにより、年間予定を見直しました。
  ◇1学期終業日  7月16日 ⇒ 7月22日に変更します。
  ◇2学期始業日  9月1日  ⇒ 8月25日に変更します。
  ◇1学期中間テストを中止し、5/21~25の期間を通常授業とします。
  ◇6月授業参観日の中止
  ◇7月実施予定であった9年修学旅行・7年八ヶ岳行事については延期とし、別日程での実施に向けて準備します。
  ◇オーストラリア短期留学・8年奧阿賀有志行事・陸前高田社会科有志行事は中止とします。

 以上の対応をすることで、GW明けの学校再開であっても、年間の授業時数が減ることはございません。ご安心ください。もちろん、楽しみにしていた行事がなくなってしまうことはつらいことでしょう。これは教員にとっても全く同じです。感染症拡大の収束が宣言されたときには、臨機応変に対応していきたいと思います。

 一方で、生徒の皆さんの様子が心配です。毎日規則正しい生活はできているでしょうか。年間の授業時間数は減らないとはいえ、休業期間中の学習面の不安もあることでしょう。学年担当の先生方からは今後、WEB等を通じて定期的にメッセージが送られます。また、楽しんで向き合えるような学習課題を準備してくれています。
 限られた方法でやり取りをするしかありません。「ウェブでお知らせ」の現在の機能設定では直接お子さんに語りかけることはできません。しかし、工夫次第でいろいろな可能性も見えてきます。保護者の皆さんには本当にお手数をおかけしてしまいますがご協力をいただかなければなりません。なにとぞよろしくお願いいたします。

現段階としましては新8・9年生の登校は、5月7日(木)からとのみお伝えし、その日の予定については、後日改めてご連絡いたします。また、4月中に予定しておりました第1回保護者会も一旦中止とし、5月の予定とともに後日、お知らせいたします。


さいごに・・・(在校生の皆さんへ)『新型コロナウイルス感染拡大に際し、君たちに伝えたいこと』


 このような事態になり、学校とは何かということを考えさせられます。教育の基本は顔と顔を向き合わせて初めて成立するものでしょう。知識を得るだけなら、この時代学校は必要ありません。もちろん、遠隔で顔を見ながらオンライン授業をすることも可能です。しかし、それはある目的意識があってはじめて成り立つものであり、小中学生の学校教育をすべてカバーできるものではありません。(一方で、教育の一領域、外に開かれた学校を作っていくことにおいてオンラインによる教育の大きな可能性も十分理解しており、学園としても今後研究をさらに進めていかなければなりません)。それは電源を簡単にはOFFできない学校場、授業場の存在です。
 学校は必ずしも自分にとって都合のよい場(表面的な意味ですが)とは言えないでしょう。少なからず気の合わないクラスメートがいたり、苦手な先生がいたりするものです。しかし、そのような自分にとって不都合な他者を排除できない中で格闘しつつも共同し、一つ一つの山を乗り越えていく中で、他者を発見し、自分を発見していきます。その結果として人は、多様な個の集まりである集団の中の個人として認められ、成長していくのではないかと思うのです。

 新型コロナウイルスについては、未解明な部分がたくさんあります。不安をあおるような言葉に踊らされて思考停止となってはいけませんが、しっかりと正しく恐れ、一人一人が対応しなければなりません。少なくともはっきりしていることは、このウイルスは感染力が非常に強いということです。そして、重症化した時の病状悪化の進行が極めて速いということです。自ら感染しないように努めなければなりません。
 そしてもう一つ大切なことは、若者にとっては感染しても軽症であったり、症状のあらわれない場合が多いということです。これは安心材料ではありません。逆に大きな不安材料とも言えるのです。なぜなら、自分自身が知らないうちに感染し、さらに知らないうちに自分が誰かを感染させてしまっている可能性があるからです。しかし、それははっきりと目に見えません。目に見えた時には、すでに大変なことになっています。その時、どんなことが起こるでしょうか。想像力が問われます。
 テレビのニュースを見ていると、街の声として、「自粛だから、禁止ではないでしょ。」「やめた方がいいとは思うけど、やっぱり自分は、今楽しい方を選びます。」「はっきりと禁止といってくれれば従うけれど・・・」といった言葉が聞かれます。若者だけとは限りません。社会には様々な立場の人がいます。完璧な措置などあろうはずもありません。しかし、少なくとも明星生は、人任せな言葉で自分をごまかし、自分で考える行為を放棄しないでほしいと思います。それこそが明星生としてのプライドです。
 今回の事態は、世界中のだれにとっても大きな試練です。その不安は人種や社会的地位を超えて広がっています。自分さえよければ、自分の国さえよければといった考えは通用しません。だからこそ問われます。自分の頭で考えること。他者を想い、想像すること。偏った情報に惑わされないこと。簡単に正解を求めないこと。
 この臨時休校中、大変さみしい思いをすることでしょう。でも、こういう時だからこそできることがあるはずです。数十年たっても君たちが中学生であった2020年という年は語り継がれることでしょう。その時の自分は何をして何を考えていたか。必ず一緒に思い出されるはずです。大変なことですが、自分と向き合う機会としてください。けっして無駄な時間とはなりません。
 早くこの感染拡大が収束するのを願うばかりです。そして、みんなの元気な顔が見られるのを楽しみに待っています。

(副校長 堀内雅人)