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池上彰さんによる8年生4時間集中特別講義『政治入門』!!

中学校ニュース
2月27~28日の両日、8年生(中2)4クラス全員がいちょうのホールに集合、4時間にわたる池上彰さんの特別授業を受講しました。授業のタイトルは『政治入門』。

『まずは君たち、政治に関することで何か質問はあるかな?』池上さんの問いかけに多くの生徒が手を挙げます。「沖縄の基地について県民投票があった。でも政府は予定を変えないという。県民投票に意味はあるのですか?」「今日のニュースでトランプ大統領がハノイの空港に降りた時、ベトナムの人たちはみんな笑顔で旗を振って迎えていた。ベトナム戦争の敵なのになんであんなに笑顔なんですか?」「なぜアメリカは北朝鮮に非核化を求めているのに、自分の国ではたくさんの核を持っているんですか?」その他、北方領土の問題、イギリスのEU離脱の問題など、池上さんは生徒の質問に分かりやすく答えてくれます。
「みんなの質問に答えていたら、それだけで授業が終わってしまいますね。」そこからいよいよ授業の核心に入っていきます。「自分の家の前の道路に穴があいたらどうする?」「川に橋をかけたかったら何が必要?」しだいに国の仕組みが見えてきます。政治の持つ役割が見えてきます。
その上で再び質問の時間。「少数派の意見というのは、多数決の制度では生かされないのですか?」「独立と中立とはどう違うのですか?」そのようにして1日目2時間の授業が終了しました。


2日目は、「大統領と首相はどこが違うのですか?」という生徒の問いから授業が始まりました。ドイツ・フランス・韓国・イギリス・アメリカ、そして日本の国のあり方が見えてきます。「共産主義とは何ですか?」「民主主義って何だろう?」という池上さんの問いかけ。生徒からは、「これまでに社会主義で成功した国ってあるんですか?」という質問も。それに対する池上さんの意表を突く答え。知的好奇心が揺さぶられます。さらに授業はお金の問題、選挙制度への問題へと広がっていきました。
授業の最後に池上さんはこんな話をしてくれました。「政治というのは自分の身の回りをどうよくしていくかということ。それが積み重なって国ができます。それに不満があるなら『何とかしてくれよ』ではなく、『何とかしなくちゃいけない』と考える。それが民主主義なんです。『日本がどんな国になってほしいか』、それは『私はどう生きていきたいのか?』ということでもあるんです。」
選挙権が18歳に引き下げられた今、14歳の8年生が政治について、選挙について考えることは、主体的に自分の人生を歩んでいく上で大変重要なことです。生徒たちにとっても我々教員にとっても大きな刺激を得ることのできた貴重な4時間の特別授業でした。この授業は書籍化され、マガジンハウスより今夏発売の予定です。

(中学校副校長 堀内)