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数学を使って「スヌーピーの絵」を描く~中3(9年)数学B授業レポート『スヌーピーの変身』

中学校ニュース
9年(中3)のフロアに上がると、「スヌーピーの絵」が廊下の壁に貼り出されています。本校の中3では、正規の数学の授業とは別に週1コマ、生徒自身が問いを持ち、自ら考え始める授業を創り、数学的思考力を伸ばすことを目標とする「数学B」という授業があります。「スヌーピーの絵」は、「変換」の単元での学びを活用し、仕上げた作品なのです。
お分かりいただけるでしょうか? 基本となるスヌーピーの絵が下の用紙にあるように座標軸上の中央に描かれています(見やすいようにマーカーで薄く描かれた点線をなぞりました)。生徒は「変換」の知識を使いながら各自が決めた変換式で自分だけのスヌーピーの絵を描いていくわけです。


授業担当の小寺教諭はこれら展示作品の説明として次のように記しています。

≪元の点の座標P(x、y)に対して、新しい点P’の座標をxとyの式で定めます。例えばP’(2x、y)とすれば、横方向は2倍となり、縦方向は変わりませんので太ったスヌーピーになります。P’(x、2y)とすればのっぽのスヌーピーになります。
ではP’(x+y、y)とすればどうなるでしょうか。描いてみるとスヌーピーが斜め後ろにのけぞることがわかります。
その後、各自が決めた式で図を描いてみました。数学的には式と図の対応を考える力をつけることが重要です。式から図を予想する(式を読む)ことは数学的な直観力を養うことです。そしてなぜそうなるかを考えることは論理的思考力を育むことです。≫

このようにして、数学を活用して描いた「スヌーピーの絵」が完成しました。
小寺教諭は、この授業についてこんな実践報告を書いてくれました。ここで紹介させていただきます。



 «上の作品は2019年2月に明星学園中3年生が描いたものである。この式には驚いた。彼はスヌーピーを分裂させたいが,変域を用いて式を表すことはしたくなかったという。そこでこの式を自分で考え出した。
S君が自分で考え出した式
(ⅹ+4、  (y+|y|)/2+1)(ⅹ+4、  (y-|y|)/2-1)
私自身はこういう式を考え出せなかった。なお厳密に言えば,この式では分けられた胴体の上と下に横線y=1(1≦x≦6)とy=-1 (1≦x≦6)が入ってしまうが,それはよしとしよう。子どもが本気になって自分が創り出したいことの数学的表現を考えはじめると、ここまで深く考えるということに驚き、感動した。≫(小寺)

一昨年のお正月だったと思います。私のもとに座標軸といくつもの数式が書かれた年賀状が1枚届きました。私には解読できません。3学期の始業早々、数学の先生に尋ね、2学期末に「変換」の授業をしていることを知りました。なんとも知的で楽しい年賀状だったということを思い出しました。

(中学校副校長 堀内雅人)