明星学園

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国際交流クルーズ 航海レポート2

中学校ニュース
船旅が始まって3日目を迎えました。2日目、3日目の様子をお伝えします。

【2日目】 8月18日
それぞれに起床して朝食をとり、9時に朝のHRに集合しました。初めて洋上で迎えた夜が明け、良く眠れたという声がたくさんで一安心です。毎日船では朝と夕方にHRを行い、出席と体調チェック、その日のスケジュールや連絡事項の確認をします。また、毎回のHRに船で働くスタッフを入れ替わりでゲストとしてお迎えする時間をピースボートの方が設けてくださっています。この日の朝HRはピースボートで30年以上働くベテランスタッフの野平さんが来てくださり、言語や文化を越えた交流のきっかけとして使えるフレーズを中文(ピースボートでは中国語のことを中文と呼んでいます)と韓国語で教えてくださいました。
朝のHRの風景

HRの後は一般参加者向けの企画「名札をつくろう」に参加。船の中では知らない人と食事で同席になったりあれこれと話をする機会があるので、各自で呼んでほしい呼び名をイラスト入りで名札にし、会話のきっかけづくりにしようとする企画です。中学生たちも思い思いのデザインで他の参加者と関わりながらユニークな名札を作っていました。名札を作ったあとは「はじめまして交流会」へ。船旅には一人で参加している方も多く、参加者同士が交流する機会を作るためにピースボートが用意していた企画に中学生たちも参加し、世代を越えたコミュニケーションを楽しんでいるようでした。中には英語話者のグループに入って果敢に会話をしている頼もしい中学生たちも。




午後は洋上最終日に行う発表会に向けたワークショップです。「国際交流」をキーワードとした発表を行うことを見据え、グループごとに「国際交流ってどんな色のイメージ?」「『国際』『交流』で連想する言葉をできる限り挙げてみよう」「国際交流のためには何が必要?」などの問いに思い浮かんだことを大きな紙に書いていきます。まだピンと来ていない子もいる様子でしたが、みんなすでにこの2日間でもたくさんの国際交流が始まっていることに気づいてはいるはず。これを最終日までの間にどのような発表へと発展させていけるのか…ドキドキです。

夕方のHRのゲストには韓国出身のキムさんにお越しいただきました。ピースボートでどのような仕事をしているかという話や、韓国語の話、生徒から質問で出たK-POPの話や韓国の受験戦争の話などたくさんの興味深いお話を伺うことができました。

この日は午後に神戸に入港。新たな参加者がたくさん乗船してきたのでまた出港セレモニーがありました。デッキから神戸の街並みを眺めて出港を楽しみつつ、日本の電波が入る最後のチャンスを逃すまいとスマホを握りしめる生徒もチラホラ…。ここからはいよいよ日本を離れ、4日後の香港までは大海原の中を進みます。今日も卓球やバスケ、ビリヤード、カードゲームなど空き時間もたっぷり楽しみつつ、夜には「アンダー40集まれ」の企画に参加して大盛り上がりしてキャビンに帰ってきた子も。スタッフやクルーだけでなく乗船している参加者の皆さんが本当に優しくしてくださることが多く、暖かい大人たちに見守られていることを子どもたちも感じているようです(迷惑や失礼がないか、引率としてはヒヤヒヤしてもいますが、、、まだ今のところは問題ないようです!)。



<3日目> 8月19日
外は朝から曇り空。海面には白い波があちこち見え、低気圧の影響でしょうか、船は昨日より揺れているようです。オープンデッキは立ち入らないようにとの船内放送が入りました。生徒たちの中にも船酔いでダウンする子が出てきました。

そんな中でも9時には朝のHRが始まります。今日のゲストはピースボートスタッフの岡田さん。なんと明星学園高校の卒業生で、どのようにしてスタッフとして関わるようになったかというお話の他に、船酔いと上手に共存するコツを教えてもらいました。
午後には水先案内人(=ゲスト講師。ピースボートでは船旅の各所でさまざまなテーマで講座などを行う各分野の専門家をお招きしています)のお一人、国際モンテッソーリ協会公認教師の深津高子さんが明星学園の生徒のためだけにセッションをしてくださいました。モンテッソーリ教育の考え方によると人間には発達の四段階があり、いま中学生たちが真只中にいる12〜18歳の思春期は第三段階。爆発的に心も身体も成長する第一段階(乳幼児期)の次にものすごいエネルギーをもって心も身体も大変身する時期だそう。と同時にそのような時期だからこその気持ちの不安定さやもどかしさもあるというお話をしてくださいました。お話の最後には「サムスペール」というスウェーデン発祥のおもちゃでゲームをしました。10人が協力し合い、言葉もジェスチャーも使わずにおもちゃをゴールまで運ぶゲームです。何度も失敗しながらようやくゴールに辿り着いた子どもたちに深津さんが感想を聞くと、「コミュニケーションを取るのが難しい」「自分の思ったタイミングと違う時に誰かが紐を引っ張るから難しい」「みんながそれぞれ考えてることが違うから思ったように動かすことができなくて難しかった」などの声が。それでもなんとかゴールさせることのできた子どもたち、言葉もジェスチャーもなくても協力して目的を達成することができることを感じたのではないでしょうか。

「出航記念特別ショー」では中国琵琶の美しい音色、そして情熱的なフラメンコショーを楽しみました。そして今度は英会話レッスンの時間です。今日から寄港日以外の毎日、乗船している英会話スタッフによる明星学園向けの特別英会話があるのです。一回目の今日はシンプルな自己紹介のフレーズから。元気な先生たちのノリに触発され、たくさんの会話を練習していました。やっぱり船内や寄港地で実際に使う機会があると力の入り方が違うようです!
夕方のHRのゲストはピースボートスタッフのシルさん。21歳という若さのスタッフで、小中高をホームスクーリングで過ごし、16歳で一人で地球一周したそう。そのすぐ後からスタッフとして働きはじめたという経歴に生徒たちは興味津々。「こうでないといけないということはない、人生にはたくさんの選択肢があるし、この船にはそれでいいと考えている人がたくさん乗っているのが居心地いい」とお話をしてくださいました。

それにしても今日は盛りだくさんの1日となりました。船酔いの洗礼を受けている子が数名いるものの、子どもたち同士でも助け合いながらみんな元気に船旅を満喫しています。物おじせずさまざまな人に積極的に話かけ、友だちの輪を広げている姿もあり頼もしい限り。「インド出身のクルーと友だちになって自分が担当のテーブルに夕食を食べに来てって誘われた!今から行ってくる!!」「オーケストラの人に話しかけて弾いてほしい曲をリクエストした!ベネズエラ出身なんだって!」「卓球してたら新しく友だちができた!」などなど、嬉しそうに報告してくれる中学生たちの姿は本当にまぶしく、彼らの順応力とコミュニケーション力には驚かされるばかりです。もちろんまだ勇気を出そうと頑張っている子たちもいます。それでも一人ひとり、多くのことを吸収し、確実に成長していることでしょう。

(国際交流クルーズ引率:高山・小畑)