【6日目】 8月22日
いよいよ初寄港地、香港です!入港は朝の6時。まだうす暗い空の下、灯りのついた高層ビルが立ち並ぶ香港の九龍半島側にあるオーシャンターミナルにゆっくりと船が着岸しました。
今日、子どもたちは明星学園中学校のために用意していただいた特別ツアー『香港の学生とゆく、香港の楽しみ方』に参加です。揃って港のターミナルに降りると1日一緒に案内をしてくださる学生さんたちが出迎えてくださいました。同行してくださるのは香港で観光を学ぶ学生さんたち6名です。挨拶をして全員と自己紹介をしたら、さあ出発!
まずは徒歩でスターフェリー乗り場に向かい、二階建てフェリーに乗り込みます。スターフェリーは九龍半島と香港島を結ぶ公共交通手段。じっとりと汗ばむ暑さの香港ですが、フェリーで顔に受ける海風は気持ちよく、あっという間に反対側に着きました。ここからは観光バスに乗り、ピークトラムの乗車場へと移動です。車窓を眺めながらバスガイドさんが立ち並ぶ高層ビルや人々の暮らしについてお話をしてくださいました。
ピークトラムとはいわゆるケーブルカーのような乗り物です。ビクトリアピーク山頂付近までの約400メートル、急な斜面を上がる香港で最も古い乗り物で、1888年にできたそう。それまではお金持ちの住む山頂付近までの移動手段は籠だったというから驚きです!駅も車両も何度もリニューアルし、現在走っているのは四代目、と学生さんの一人が教えてくれました。近代的な駅と車両に「ディズニーのアトラクションみたいだね」という声も。動き出すと上がっていく斜面のあまりの角度に驚きの声があがります。山頂駅で降りて展望台へ行き、そこから少しグループ行動の時間を取りました。小グループごとに学生さんが一人付いてまわってくれます。コンビニに早速入ってみた子どもたち、日本では見たことないものが売られていることを楽しみつつ、一生懸命レートを頭の中で計算して用意してきていた香港ドルで買い物にチャレンジしていました。
再びバスに乗り、島の反対側のスタンレー地区へ。クネクネとした山の道を海まで下ります。地元の若者がよく行くというお店で学生さんたちと一緒にランチをいただきました。
お昼のあとは海の安全を司る神様を中心に学業の神様、恋愛の神様、家内安全の神様などさまざまな神様が祀られているティンハウ廟と英国統治時代に建てられたコロニアル建築が素敵なマレーハウスを見学し、その後はまたグループごとに分かれてスタンレー市場を散策しました。色とりどりの商品が店先に並ぶ狭い路地を歩き、Tシャツやクッション、扇子などのお土産を思い思いに買っていました。中でも人気だったのが風水に基づいて縁起の良い絵をカラフルに文字に入れ込んで自分の名前を書いてもらう「花絵」。「もっと時間があればお母さんの名前も書いてもらえたのに!」と残念がる優しい生徒もいました。
あっという間に時がすぎ、港に帰る時間です。今度はバスに乗って海底トンネルを通って海を渡り、港のターミナルまで戻ってきました。名残惜しいですが、学生たちにお礼を言って分かれ、香港での滞在は終わりとなりました。
船が静かに岩壁を離れ、出港です。ゆっくりと暮れていく空の下、波のない穏やかな海面を進む船のデッキで静かに出港を見ていると本当にこの海を越えて地域と地域、人と人は繋がっているのだなあという気持ちにさせられます。寄港日前日にティンティンさんから「日本と違う点だけでなく、共通する点も探してほしい」という話を聞かされていた中学生たち、どんなことを感じて来たかを聞くのが楽しみです。
(国際交流クルーズ引率:高山・小畑)