
明星学園中学校・高等学校 校長 山領 直人 Naoto Yamaryo
明星学園に流れる空気に長らく触れてきた私にとって、その自由な精神は、社会情勢とともに時代の価値観の変容を受けながら、少し窮屈になってきたように感じます。けれども、学園に通う生徒の笑顔とひたむきに努力を重ねる姿は、今日までいつも変わらない、学園の大切な日常です。
創立からの理念を大切にしながら、生徒と教員が卒業生をはじめとした周囲の方々に支えられ、100周年を迎えた学園には、新たにその教育に惹かれ、入学してくる生徒とその周囲の人々からの期待によって、次の時代へ向かって歩み始めています。私たち教員の役割は、眼前の若い力を信じて支え、成長の助けになる事です。そのための授業を中心とした様々な活動を、より良い環境と共に一歩ずつ進めていく教員と生徒の日常がある限り、わたしたちの学園は必ず次の世代に繋がっていきます。
本学園を目指す生徒の皆さん、中学・高校それぞれの3年間にどのような希望を抱き、それをどのように実現していこうと考えますか?まず、自分で感じ・考えることを大切にしてください。みずからが関心をもって取り組むさまざまな経験は、パズルのかけらとしてあなたの記憶におかれます。その一片一片が、あなた自身の未来のための大事な要素です。
明星学園中学校・高等学校は初めの一歩を踏み出すための、時間と場所とチャンスです。迷ったり自信を失うこともあるでしょう。けれどもそういう時にこそ、友人がいて、わたしたち教員のサポートがあることを忘れないでください。日常の中のすべての経験は、「あなた」というフィルターを通して表現される、あなた自身の個性であり“自分で生きる”ちからとなるのです。