この世に生を受けた人で必要のない人間などどこにもいない。みんな自らが輝き、誰かの足下を照らす存在として生まれてくるのだ。
 「明星」という名前には、「輝く星を見つめ、その輝きに向かって伸びよう・登ろうとする子どもたちの希望の光」という意味が込められている。輝く星とは、君たちの「夢や目標」のことだ。そしてまた、夢や目標に向かい自らを高めようと歩み続ける君たちの姿そのものが輝きを放ち、また誰かの足下を照らすのだ。
 明星学園のいう「個性尊重」とは、君たち一人ひとりの「可能性」を大切にすることを意味している。そして、君たちが「自由」と「自主自立」を拡大しながら、夢や目標に向かって歩んでいく先に、君たちの個性、つまり君たち一人ひとりの「可能性」の開花があると信じている。

 ところで、君たちに勘違いしないでほしいことがある。明星学園のいう自由とは、決して「束縛がないこと」を意味するものではないのだ。明星学園のいう自由とは、「自分の頭でよく考え、自分や自分を取り巻く社会がより幸福になるように、自分のとるべき行動を選択していくこと」を意味している。だから、他者をふみにじったり、自分中心の行動をとることは自由ではなく、最も不自由な行動なのだ。
 自由になるのは簡単なことではない。なぜなら、自由は「そこにあるもの」ではなく、「自らつかみ取っていく」ものだからだ。だからこそ君たちは、学校の授業を通して、「物事の本質や基礎基本を学び、自ら考える力や感じる力、判断する力」を獲得していくことで自由を拡大していかなければならない。
 また、行事や自治活動、クラブ活動といった教科外の活動を通して、自ら行動に移していく自主自立としての行動力を獲得しなければならない。
 そして、この「自由」と「自主自立」の獲得には、「みんな」が必要なのだ。なぜならば、自由も自主自立も「他者とともに生きる」ことが前提になければ、無意味だからだ。「社会的存在として生きる。」これが人間の本質だからだ。
 みんながいるから伸びる。みんなとともに伸びる。君たち一人ひとりの個性=可能性を開花させるためには、「ひとり」ではなく「みんな」が必要なのだ。

 何のために学校で学ぶのか。
 それは、「自由と自主自立」を拡大し、君たち一人ひとりの個性(可能性)を開花させるためなのだ。

 

明星学園中学校・高等学校 校長 河住貴夫