明星学園時代の経験の中に、
将来につながる種が
隠れていた

2011年度 小学校卒業 (小中高)

亀岡 信之助さん

東京藝術大学大学院

美術研究科 美術專攻 工芸研究領域 鋳金 博士後期課程

亀岡 信之助

小学校時代の思い出

小学校時代の思い出

印象的な授業について

印象的な授業について

現在の自分

現在の自分

後輩(保護者)に向けたメッセージ

後輩(保護者)に向けたメッセージ

小学校時代の思い出

自然豊かな校舎を目にして「この学校に来たい!」と両親にその思いを告げたのを覚えています。
ウッドチップが敷き詰められたエリアには、私の好きなクスノキがあり、休み時間になるとよく木登りをしていました。ビオトープには、おたまじゃくしやメダカ、ヤゴなど、さまざまな生き物がいて、掬い上げてプラスチックのカップに入れ、教室に持ち帰り観察していました。井の頭公園が近いこともあってか、昆虫なども多く身近なところにたくさんの生き物がいました。木造の開放的な教室には木の香りが漂い、いつも自然に囲まれているような環境がとても好きでした。

印象的な授業について

社会の授業で古生物や化石について学んだ際、野外学習として多摩川沿いで化石採掘に出かけたのが印象に残っています。
また、教室で知識を学ぶだけでなく、実際に自分の手を動かし、体験を通して理解を深める授業が多かったことです。例えば、縄文時代の土器や矢尻が授業で登場すると、それらが古代にどのようにつくられていたのかを実際に体験する授業がありました。校内で薪を焚き自分でつくった土器を野焼きしたり、黒曜石の塊を石や鹿角を使って割り、素材の特性や扱いづらさ、実際に矢尻へと成形する難しさを体験しました。
そうした経験が、今、ものをつくっている自分の制作にも大きくつながっているように感じています。

明星の中高時代で広がった経験・世界について

中学時代には漆芸に興味を持った私に美術の先生が漆塗りを体験させてくださったり、古典的な瓢箪の制作方法をやってみたいと相談した際には、小学校の校長先生と中学校の副校長先生に協力を得て学校で苗を植えるところから始めました。特に印象に残っているのが、生の瓢箪を水につけて何か月か置き腐らせる工程です。強烈な匂いがするうえ、屋外に置くとボウフラが湧くという問題に直面したため、中学校の副校長先生の机の横に置かせてもらうことになりました。職員室は異臭が漂っていたと思いますが、無事に最後まで完成させることができました。
自分が「やってみたい」と思ったことに対して、先生方が一緒になって協力してくださり、実際に最後までやり遂げることができた経験は、とても大きな思い出になっています。授業以外にも明星では今の進路につながる数えきれない体験が多く散りばめられていたと感じます。

現在の自分

現在私は、東京藝術大学大学院の博士後期課程、工芸科の鋳金研究室にて、金属を溶解・鋳造し、動物をモチーフにした「架空の秘薬瓶」をテーマに制作しています。動物が古くから人々の中で担ってきた伝説や神話、薬効、霊力、神秘的な力などに着目し、そこから生まれる象徴や物語をもとに、現実には存在しない秘薬を収める「器」として造形しています。古くから人々が動物に見出してきた神秘性や想像力を、鋳金をはじめとする現代の工芸技法によって表現することを目指しています。

編集者追記:学部卒業制作で『蝙蝠鍾乳石飾瓶』(2023)を発表。また、2025年の大学院修了制作『豹皮覆護秘薬守護石』は、東京藝術大学大学美術館 「買上げ」となる。


蝙蝠鍾乳石飾瓶


豹皮覆護秘薬守護石

後輩(保護者)に向けたメッセージ

大学では工芸科の鋳金専攻に進みましたが、実は鋳造との出会いは小学校の授業でした。5年生の夏の千倉行事の時、海岸で砂鉄を集めに行き、学校に戻ってから校内にレンガで窯を立て、その砂鉄を溶かし、鉄を作る授業がありました。その当時は鋳造に興味を持てていたわけではありませんでした。
ただ、今振り返ってみると、その時に体験したことが、後になって自分の興味や制作につながっていたのだと感じます。明星学園では、実際にものをつくったり、さまざまなことを体験したりする機会が多くあります。その時は意識していなくても、そうした経験の中に、将来につながるきっかけが隠れているのかもしれません。


現在の亀岡さん


明星時代の亀岡さん