進行:では、明星学園との関係については後の方で逆にさかのぼる形で聞いていきますので、最初に明星学園を卒業して、現在はどんな活動をしているのかお聞きしたいのですが?
玲未:現在はまだ「暁」というチームに所属をしているので、そのチームでの演奏や、個人や、「暁」とは別に女性だけでチームを組んで演奏したりしています。
また、チームでやっている教室で教えたり、講師業等もやっていたので、「演奏」と「レッスン」の2本がメインの活動です。
進行:そうですか。明星を卒業した後の大学時代も和太鼓部か何かに所属して、和太鼓を続けてきたということですか?
玲未:入った大学に和太鼓部とかサークルがなかったので、太鼓を続けたいと思って、いわゆる地域の太鼓チームを探していた時、たまたま「暁」と成田太鼓祭りで出会いました。
その時はプロは目指していなかったのですが、太鼓を明星の部活でビシバシやっていたので週1回とかの活動じゃ物足りないだろうから、ビシバシ教えてくれる人がいる中でやりたいと思っていました。ちょうど「暁」の活動が私の思いと合致したので入らせてもらいました。
大学4年間はいわゆるアマチュア、学生として演奏しながら、小学校の教員になりたくてずっと教職の勉強をしていました。
進行:その時点では和太鼓のプロというよりは、小学校の教員になりたくて大学に入って勉強をしていたんですね。 その「暁」ってプロ集団ですか?
玲未:はい2017年からはプロとして活動してきました。
進行:4年間は教員になろうと勉強していたわけですが、どこかで転機があったんですか?
玲未:そうですね。大学でインターンシップや教育実習をしていく中で、自分は子どもたちと関わるのが好きで教員を選んだんですけど、教師と生徒っていう関わり方が、肌感覚でというかなんとなく合ってないんじゃないかなと思って。
それで、大学3年生の時にもっと近い距離で子どもたちと関わりたいなと思ったので一旦先生は諦めようって思って。じゃあ、仕事何したいかなって考えた時に、他に好きなことは太鼓しかないなと思ったんです。「暁」の代表は私が入った時からもうプロとして活動していたので、大学4年間はプロってこういう活動してるんだなっていうのを身近で見て育ったんですが、高校時代は和太鼓のプロって言えば「鼓童」さんしか知らなかったので、プロは自分には無理だろうなと思ってたんです。
*鼓童=新潟県佐渡市小木を拠点に国際的に公演活動を展開するプロ和太鼓集団
一番の転機になったのは、大学4年間色々な大太鼓のコンテストに出させてもらっている中で、4年生でこれで最後にしようって出場した男女混合の北海道のコンテストで、本選では女性が私しか残っていなくて、そこで審査員特別賞をいただいたんです。その審査員をやっていた「一般財団法人 浅野太鼓文化研究所」の理事長の浅野さんに、「太鼓のプロは太鼓が好きだったら技術とか不安なこととかはなんとかなるから、とにかくやってみたらいいんじゃない。」って背中を押してもらったのがきっかけです。大学4年生の9月に太鼓奏者になろうって決めました。