明星学園小学校の教育

明星学園小学校は大正13年創立しました。当時の社会の教育状況は、早く大人に近づ けさせるための訓練が主体で、子どもたちは断片的な知識を覚えることを強いられて いました。「子どもには子どもの世界がある」、「生き生きと子ども時代を送ることが 大人への基礎を創る」という考え方を持っていました。感性を土台にした知識づくり です。こうした考えはのちに「大正自由教育」と呼ばれ、教育界に大きな影響を与え ることになりました。

現代社会が求める人間像は「自分で考え、自ら行動できる人間」です。情報化社会、 国際化社会に在って、人に左右されることなく、自分の道を進む力は、考える力を育 むことから生まれます。学習したことの一歩先にあるような課題に取り組むこと、納 得した知識をもとに「こうかもしれない」「こうであるはずだ」と仮説を立てるので す。そしてその仮説を追いかけるのです。いわばドキドキ、わくわくの『心の冒険』 です。 「考える」授業が成立するためには、意見交換する友だちの存在が不可欠です。友だ ちは自分の考えを受け止めてくれます。また友だちから、自分では気づかない考えを 聞くことができます。友だちは競争相手ではなく、学び合う存在なのです。明星学園 小学校では「討論」「表現」「体験」を大切に「子ども同士が学び合う授業づくり」 をしています。

明星学園小学校では、教師たちが教育観を共有しています。今、子どもたちにつけさ せたい力として次の4つをあげています。

(1)「自然から学ぶ」

明星学園は豊かな自然に恵まれた環境にあります。身近な生き物は「いのち」について学ぶ機会になります。「みいつけた」という自然観察、ものつくりを通して自然から積極的に学びます。

(2)「考える力を伸ばす」

課題に対して「あなたはどう考えますか?」と問いかけます。意見を出し合っていく中で、自分の考えがはっきりしてきたり、変更を余儀なくされたりします。他人の考えを受け止めて、自分が変わるという体験は貴重なものです。

(3)「表現する力を伸ばす」

6年生では卒業時に「12歳の主張」と言う論文集をつくります。自分でテーマを決め、掘り下げたな かみをわかりやすく伝えることを目指します。朗読、詩や俳句作り、絵や工作、合唱、マット運動、劇、英語で会話するなど表現する機会をたくさん持ちます。

(4)「社会を創る能力を伸ばす」

単に人に順応していくという力ではなく「仲間と協力して今の生活を変える」ことを目指します。教科外の行事、特別活動クラブ活動など機会あるごとに「実行委員会」を結成し、話し合いを持ちます。成功した喜びは次への意欲を生み出します。