小学校
先生コラム
日曜参観ありがとうございました。
日曜参観
今年度も無事に日曜参観を迎えることができました。多くの保護者の方に来校いただき、授業をご覧いただきありがとうございました。コロナ禍の時のことを考えると、授業を公開できるだけでも嬉しく感じます。きっとどのクラスも明星らしい授業となっていたのではないでしょうか。私も全ての授業を見て回ることはできませんでしたが、いくつかのクラスを中心に、子どもたちの活動の様子を見たり、様々な発言に耳を傾けたりしていました。
その中で印象に残ったのは4年生と5年生の算数。4年生は3年生まで割る数がひと桁だった割り算が、二桁に拡張されました。(74÷34のようなタイプ)答えを出す上で重要なのは答え(商)を予想すること。算数の世界では「仮商を立てる」と言いますが、その立て方について、いろいろな意見が出ていました。今まで学習してきたことをベースにしながら、いろいろな考えを導き出していく明星っ子たちはすばらしいと思います。最初からやり方を教えて進めれば時間はかからないかもしれませんが、それでは自らの頭で考える大切さが失われてしまいます。また自分では思いもしなかった意見を友だちから聞くことができるのも、このような授業スタイルのおかげです。そのような中、4年2組ではこれまでの算数同様、タイルを使って力強く説明している子どもの姿がとても印象的でした。担任の菅野先生が子どもたちの考えをていねいに導き出している一コマと言えるでしょう。
そして5年1組では「数」に注目した授業が行われていました。液量や重さ、面積といった具体的なものではなく、「数」そのものについての学習なので、子どもたちが「算数がむずかしくなった」と思う場面でもあります。実際の授業はいくつかの数を分類することが課題でした。明星の子どもたちはこういった課題に対してはいくらでも考えを言ってくれます。当日の数はちがっていたかもしれませんが「2,3,4,5,6,8,9,12,14,21,25,27」といった数をグループ分けし、その理由を聞くという授業です。「好きな数と、嫌いな数」とか「数字が直線だけで描かれているグループとそうではないグループ」などなど、次から次へといろいろな意見が出てきました。もちろんその後の授業につながる意見(3の段のかけ算の答えとそれ以外…)も出ていましたが、それよりも授業の中でまちがえを恐れず発言するというベースが確立していることを嬉しく思いますし、そのような授業を今年明星一年目の藤條先生が大切に引き継いでいるところも嬉しく思いました。
授業をご覧いただいた保護者の方から、「自分がこの授業を受けたかった」とお聞きすることが少なくありません。われわれにとっては何よりの言葉ですが、比較することのできない子どもたちにとっては、これが日常であり普通なんでしょうね。私もこう言った授業が、学校生活が当たり前だと思ってきました。この当たり前をわれわれ教員は守り続けるとともに、子どもたちにはもっと明星の授業を楽しんでほしいですね。
先生たちは時間をかけて準備をし、この日曜日に臨んだのだと思いますが、その準備は決して参観日だけのことではなく、日常のさまざまな授業に対しての準備でもあります。早いもので、1学期も残すところ1ヶ月となりました。日曜日の授業が1学期の最後に向けて、どのようにつながっていくのか楽しみであります。
季節の移り変わり
東京も梅雨入りとなりました。紫陽花が咲きカタツムリを見かける季節になりました。カタツムリの「みいつけた」が増えることでしょう。
ところで毎朝正門で朝の登校の様子を見ていると、気がつくことがあります。それはプラスチックの飼育ケースを持って登校してくる子どもの多いこと。中に入っているものも様々。カナヘビは当たり前。先日はクワガタを持ってきている子も。普段の日に小学生が飼育ケースを手に持って電車やバスに乗って登校している姿を思うと、周囲の人たちはどう思っているのでしょうね。遠足に行った帰りの時間帯なら分からなくもありません。しかし朝からですから…。でもそのぐらい子どもたちは生き物のことが好きです。
まだ電車で千倉に行っていた頃、磯でカニを捕まえ、どうしても持って帰るんだという子がいました。もちろん千倉に飼育ケースなど持ってきていませんから、ビニール袋を何重かにして東京駅から中央線に乗り込みます。途中でチャプチャプと海水はこぼれますし、きっとだんだん水温も上昇していくのでしょうね。家に帰った後、そのカニがどうなっていたのか、聞いてはいませんが…。
ビオトープに放されてしまったヒメダカですが、その後は校長室の水槽で育てています。11匹のヒメダカがいたのですが、先日6年生が校長室に来て、メダカを分けてほしいと。「どうして?」と聞くと、いま6年生は前のデッキのところでお米を育てていて、そこにメダカが必要だとのこと。大きなタライでミニ水田を作っているのですが、やがてはボウフラなどが出てくるので、それをメダカに食べてもらおうという考え。ひとまず大きめの個体5匹を6年生に預けました。
生き物とともに生きる明星っ子たちです。
ほんのちょっとの紹介
もうずいぶんと前のこと。4年生から6年生までは1学期の終わり頃に、渋谷にあった五島プラネタリウムに出かけていました。これは7月に行く千倉の前に少しでも星座について興味を持ってもらうためで、わたし自身も在学中に行った記憶があります。残念ながらビルの解体とともにその幕を下ろしましたが、プラネタリウムが好きだった私は大人になってからも、何回か訪れ、さらに閉館まで数日に迫った時にも行き、解説員さんの語りに楽しく耳を傾けました。
今では千倉も周辺の住宅などの明かりで星を観察することが難しくなってきましたが、それでもまだ天の川がかすかに見えますし、夏の大三角形やさそり座などもよく見えます。そんな千倉のことを楽しみにしながら星座の本でも読んでほしいですね。
この『星座と神話大じてん』(永田美絵著、成美堂出版)ですが、著者の永田美絵さんもまた五島プラネタリウムに勤めていたご経験があるそうです。
(校長 照井)