明星学園

トピックス(小学校)

お知らせ

皆でみんなが幸せになる

校長だより
1. コロナ禍を振り返り
梅の花に続き、河津桜が綺麗な花を咲かせました。今は真っ白なコブシの花が咲いています。待望のソメイヨシノも咲き始め、卒業式・終業式を彩ってくれています。
一年前の今頃は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、臨時休校を余儀なくされました。そのような中、何とか卒業式だけは挙行すべく、実施方法を懸命に協議し、当日を迎えようとしていました。
最終的に決まった方法は「卒業生と保護者のみで行う卒業式」。それでもそこには喜びが満ち溢れていました。何せ子ども達は3月2日から友達にも先生にも会うことが出来なかったのですから。高等学校に至っては卒業式が延期され、卒業式を挙行したのは3月の終わりになってからでした。その日は満開の桜と名残雪の供宴でした。
「春休みが明ければ!」という期待も虚しく、4月になっても学校を再開することは出来ませんでした。子ども達と再会できたのは6月に入ってからです。新1年生に関しては、入学式を行うことも出来ませんでした。
電話やWEBでの連絡、手紙や課題の発送、YouTubeの作成とドキドキしながらの配信。初めてのzoomと練習を兼ねてのオンライン飲み会、そしてドキドキの本番。初めてづくしの上に多様な混乱も生じ、それに対応するので皆必死でした。道なき道を進む。そこでの合い言葉は「兎に角やってみること」でした。失敗も成功も、否定も肯定も、歩いたあとについてきました。
明星では実物を通じた教育を大切にしているので、コロナ禍に於かれなければ取り組まかった諸々が、一気に開花された時期でもありました。そこでは信じられないほどの情報が学校と家庭・教員間で飛び交い、その合理化が求められる中、「学びポケット」が導入されました。
先生方は本当に良く頑張って下さいました。改めて感謝しなければなりません。子ども達や保護者の皆様からも感謝のお言葉を沢山頂きました。本当に有り難く思いました。コロナ禍に於いては皆が大変だったはずです。一人ひとりが頑張り、皆の力で乗り越えてきたからこそ今があるのです。共にコロナ禍を乗り越えてきた全ての方々に改めて、尊敬と感謝の言葉を贈りたいと思います。
未曾有の事態を乗り越えてきた私たちは、更なる「強さ」「正しさ」「朗らかさ」を手に入れました。コロナの終息にはまだ時間がかかりそうですが、来年度もWithコロナの中でより良く生きられるよう、皆で力を合わせていきましょう。

2. 2020年度卒業式
いよいよ明日は卒業式です。53名の卒業生が巣立ちます。明星学園で出会うことができ、大切な日々を一緒に過ごせた事に改めて感謝したいと思います。
今年度もコロナ禍に於かれ、感染予防と感染拡大防止が必要なことから、午前中に「在校生と卒業生の式」、午後に「卒業生と保護者の式」を行う事といたしました。6年間の中では色々な事がありました。色々あって当然なのです。それらを乗り越える中で、「一人ひとり」と「みんな」が、「強く・正しく・朗らかに」育ってくれました。その事を誇りに思っています。
1年生から5年生にとって卒業生の姿は未来の自分です。卒業生にとって1年生から5年生の姿は過去の自分です。そこに学びの意味を見いだすことが出来ます。各学年には各学年の発達段階があります。あの頃は出来ても今は出来ない事があるのです。だからこそ各段階をしっかり生き抜くことが必要です。卒業生の姿がその事を物語っています。
今年度はコロナ禍におかれ、子どもたちにも本当に不自由な思いをさせてしまいました。しかしそのような中でも子どもたちは、「だったら、こうすれば良いよ」という具合に、今までにない新しい事を創造し、学校生活をより豊かなものへと高めてくれました。最高学年である6年生は特にその思いが強く、常に全体を見渡し、リードし続けてくれました。その6年生が明日卒業します。卒業式では6年生の卒業を祝うと共に、6年生が残してくれた宝をしっかり継承・発展させる事を誓いたいと思います。コロナ禍で学習発表会を実施する上では、創意工夫が求められましたが、6年生は皆で力を合わせることにより、6年生ならではの劇を演じてくれました。そしてその劇を1~5年生が自分の瞼にしっかり焼き付けていました。
卒業式は最後の授業でもあります。保護者の皆様ともやっと一堂に会することができます。明日は多くの方が見守る中、最後の授業をしっかりやり遂げ、自信と誇りと感謝を持って、卒業証書を手にして欲しいと思います。

3. 学習発表会
コロナ禍で学習発表会を行うか否かについては、早々に職員会議で議論し、実施する事を決めました。またそれに伴って感染予防及び感染拡大防止について対策を協議してきました。
検討を重ねる中で出された結論は①上演時間の短縮、②上演日時と場所を変える、③観客数を制限するといったものでした。例年は体育館を会場とし、同じ日に1年生から6年生までの発表が行われていました。発表内容も劇が多く、1~3年生はクラス単位ではなく、学年としての劇が発表されてきました。しかし今年度はそれらについて見直すこととしました。
会場としてはイチョウホールと体育館に分ける事を決めました。それぞれの場所でそれぞれに応じた発表が求められる中、これまでに固執するのではなく、状況が変われば状況に応じて新たなものが創造されていく様子は実に圧巻でした。その裏では先生方の計り知れない苦労があったものと拝察しています。
上演時間の短縮は求められましたが、体育館ではこれまで通りの劇も発表されました。体育館という広い空間、奥行きのある舞台、舞台から迫り出す雛壇、スポットライト、音響、大道具小道具、背景画、そして脚本などなど。子どもたちは演劇独自の世界を楽しむ中で、更に豊かな個と集団に育っていきました。
校内発表の方法も工夫しました。これまでは同じ日に校内発表を行ってきましたが、今回は発表週間を設け、その中でそれぞれの学年・クラスが日時を選び、発表するようにしました。
日時を選ぶ上では当然、他の学年やクラスと希望が重なり、まずはその調整が大変でした。また観に行く側も授業と関わりがありましたので、調整が難航しました。それらの調整役を担って下さったのが実行委員(教師の)の坂本先生・永瀬先生・長澤先生で、それぞれの要求を聞きながら、何度も何度も調整し直してくださいました。本当にご苦労をお掛けしました。
明星の子どもたちは表現だけでなく、鑑賞も大好きです。視点移動が出来るせいか、鑑賞側に回ったときには表現側が演技しやすいように鑑賞しています。表現と鑑賞が相互作用する中、表現の質が更高められ、その中で子どもたちは更に豊かな個と集団へと成長していきました。
子どもたちの劇を見ていると時に、普段はポーカーフェイスの子どもが、演劇の中では別人である事に驚かされます。そしてそれは、どちらも本当のその子なのだと思います。
学習発表会には学習発表会でしか学べない中身があります。それがコロナ禍での実施を決めた理由です。緊急事態宣言が再延長となり、一般発表が出来なかった事は本当に残念でした。また本当に申し訳なく思っております。保護者の皆様にご鑑賞頂く中では、子どもたちの素晴らしさが更に引き出された事でしょう。
小学校生活最後の発表となった6年生は、6年間を振り返りながら、それぞれの思いで劇に臨んでいたようです。一堂に会する演者と観客。シーンと静まりかえる会場。スポットライトを浴びる中、虚構の世界を演じ続ける役者。その世界に引き込まれていく観客。そして割れんばかりの拍手。その光景を目の当たりにする度、そこに「明星」を感じます。文化が明星を創造し、明星が文化を創造し続けているのです。明星っ子に脈々と受け継がれる血。その血はこれからも受け継がれていきます、明星が明星である限り。
学習発表会へのご理解・ご協力、本当にありがとうございました。来年度こそは保護者の皆様と一堂に会し、普段ない感動を味わいたいと思います。