明星学園

トピックス(小学校)

お知らせ

1年のしめくくりに

校長だより
1.学校での1年が終わります。
  校内の桜通りの桜が一輪また一輪と咲き始めました。これから校内もピンクに染まっていきますが、春休みに入るので多くの子はこの美しさを見ることができず残念です。さらにこのペースでいくとせっかくの入学式の頃にはすっかり葉桜になってしまうかもしれませんね。
 さて、2022年度が終わろうとしています。今日は卒業式のリハーサル、明日は卒業式、そして土曜日が終業式ということで、今年度も残すところ2日となりました。
 今年度もまた苦悩続きの一年間でしたし、その時々で判断を迫られることが幾度となくありました。その一つ一つに関して教員の中で時間をかけた討議をしてきましたが、保護者の皆さまのお声を吸い上げることができず、いろいろとご心配をおかけした場面もありましたし、ご意見もいただきました。学校運営をどう進めていくかについては、いろいろな意見を取り入れ熟考しながらやっていきたいと思います。この一年のご理解やご協力、本当にありがとうございます。深く感謝申し上げます。
 
 子どもたちはといえば、この1年もまた成長の年でした。それぞれが自分のできることをがんばってきたのだと思っていますし、それが素晴らしいことだと思います。私は受験希望の方の参観でよく授業の様子を見て回るのですが、子どもたちが前のめりになって授業を受けている姿を見ていると、本当に自慢したくなります。「椅子の座面にお尻がついてない」ことを「お行儀が悪い」と受け止めるのと、「先生のことばを聞き逃さないよう集中している」と受け止めるのでは大きな違いがあります。私にとっては子どもたちの姿を後者として捉えています。特に昨年の4月に入学した1年生が授業の中でそのような姿を見せてくれると、この一年の成長を強く感じます。本来授業は楽しいものだということを、これからも感じ取っていってほしいですね。

 そのような学校生活を過ごしてきた6年生は、いよいよ明日で小学校を卒業します。
 この6年生は私が1度目に副校長をしていた時の入学で、入学前にお会いした保護者の方々も多くいた学年です。1年時の人数はとても少なかったのですが、その後は転入生も随分と入り、明日卒業する6年生の人数は63名となりました。4年生の時に担任をした学年でもありますが、最初は新型コロナウイルスによる休校から始まりました。6月に入ってからやっと分散登校が始まりましたが、それでもお互いのことがわかってくるまでには時間がかかりました。この間は学園にとって、長く苦しい時期でもありました。担任としては1年間だけでしたが、その次の年には一緒に大島へ行きましたし、今年度は修学旅行にも同行できまたことが、なにより嬉しく感じました。そして明日は校長として初めて、一人一人に卒業証書を渡します。『卒業論文』に描かれていたそれぞれの主張を思い浮かべながら…。

 1年生から6年生まで、4月からは一つ学年が上がります。新しい学年になり、新しい先生、新しい友だちと出会うこともあると思います。2023年度もみんなが「いつも元気で、ニコニコ!」で過ごしていけるよう願っています。

2.ほんのちょっとの紹介
 今年度最後の紹介になりますね。このところゆっくり本を読む暇もなく、ここで紹介する本を選ぶのに苦労している現実がありますが、それでも何か紹介できればという気持ちでここに載せています。
 今回は少し変わった本です。『妖怪の森』という水木しげるさんの描いた本で、みなさんご存知の「ゲゲゲの鬼太郎」も登場します。この本は絵巻物のようになっていて、折りたたんだページを伸ばしていくと、全長2.8mにもなります。その中には170あまりの妖怪が登場し、一つのストーリーが描かれています。小さい時に出会った水木さんの漫画は、とっても怖かったイメージがあるのですが、でも登場する妖怪たちはどこか人間味があって憎めない存在でした。しかも単なる空想の産物というより、その地域の言い伝えや民話に即した妖怪もいて、ひょっとしたら今でもいるのではないかと思ってしまいます。細かな絵ですが、その一つ一つを親子でゆっくり見ていくのもまた、面白いと思っています。(でも漫画と絵本の境界線がわからなくなりました…。)
(水木しげる作・こぐま社)