明星学園

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お知らせ

2023年の終わりに

校長だより
1.今学期が終わります
 2023年も残すところあと1週間あまり。2024年という新しい年が始まれば、いよいよ明星学園の100周年イヤーとなります。そして5月7日、武蔵野の森総合スポーツプラザで行われる式典まであと少し。小中高の全児童生徒と保護者、卒業生が一堂に集まる初めてのイベント。準備は大変ではありますが、それだけに楽しみでもあります。来年も良き年にしたいですね。
 ところでこの時期に来年のことをあれこれ言うと、「来年のことを言うと鬼が笑う」と言われることがあります。『上方いろはかるた』のことわざの一つでもあるのですが、少し気になったので調べてみました。そもそもなんで「鬼」なんだろうかと気になってしまったのです。ことわざの意味としては、「予測できるはずのない未来のことを言うと、鬼でさえおかしくてせせら笑う」ということですが、「鬼」ではなく「神様」などでもいいのかと思いますし、ばかにする意味で使うなら「犬」とかでも良かったはずです。調べてみると、やはり由来がありました。由来となっているのは熊本の昔話です。

 むかし、益城町の山の中にあった福田寺というお寺に弟子入りにきた鬼がいました。新しいお堂を建てるとき、鬼は人一倍がんばってくれましたが、みんなに振るまわれた「だご汁」をものすごい勢いでたくさん食べてしまいます。おかわりしたくてもできない、他のお坊さんたちが知恵をしぼり、切った竹をだご汁に浮かべました。竹をよけながらだとゆっくり食べるだろうと考えたのです。しかし、鬼は竹ごとばりばりとだご汁を食べてしまいました。
 鬼はかたい竹をかんでしまったので、歯が折れてしまい、「大好きなだご汁が食べられなくなる」と泣き出しました。おしょうさんが、「来年になったらまた歯が生えてくるよ」というと鬼は喜んで笑いました。「来年のことを言うと、鬼が笑う」ということばは、このときから始まったともいう。

 どうでしょうね。ばかにして笑っているわけではないようです。こういった由来や昔話は地域や時代によって変化するものなので、これがことわざの元になっているかはわかりません。でもこんなお話があると聞くと、なんだかほっこりしますね。そしてなんでだろうと思ったことは、やはり調べてみた方がいいとも感じました。
 6年生の卒業論文はいよいよ清書の段階に入ったと聞いています。この卒業論文も、一人ひとりの「なぜ」から始まっているはずです。そしてその「なぜ」についてどこまで調べ、自分はどう思うのか。明星学園で大事にしている「考えること」を人に知らせることのできるいいチャンスでもあります。完成した卒業論文集を読ませてもらうのが、今から楽しみであります。
 それではみなさま、良いお年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。

2.季節の移り変わり
 終業式を前に、最後まで残っていたグラウンドのイチョウの木の葉が全て落ちました。木の下は黄色いじゅうたんをしいたようでもあります。このイチョウの木は日当たりがいいせいかいつも最後まで真っ黄色な葉を残しておいてくれるのですが、それも終わりになります。本格的な冬になったということですね。
 今年の平均気温は観測史上もっとも暑かったと聞いています。8月は31日全てが真夏日。この先、世界はどうなってしまうのか、本当に心配です。今週の月曜日には、5年生が環境授業としてゲストティーチャーを呼び地球温暖化について考えましたが、その時に出ていた話題として、このまま何も対策を取らないと2100年には平均気温が5.7℃も上昇してしまうそうです。そうなると夏は40℃超えが当たり前。とんでもない時代になってしまいます。何か工夫して、それを防ぐことはできないのか。5年生たちもよく考えていました。考えずにできることもたくさんあります。節電やフードロスを防ぐこと、ものをたくさん買いすぎないことなどなど。その第一歩は学校での「落とし物・忘れ物」を無くすことでしょうね。

3.ほんのちょっとの紹介
 これも今週の月曜日の話です。図書クラブのメンバーと吉祥寺の書店に行ってきました。これは図書クラブの子どもたちに、図書室に置く本を選んでもらおうと、以前から続けてきた活動です。コロナ禍で銀座の教文館に行くことは難しくなりましたが、最近は吉祥寺にすてきな本屋さんが増えてきているので、学校から徒歩で吉祥寺に向かいました。一軒目は「緑のゆび」さんです。昨年もおじゃましたのですが、今回は定休日に特別に開けていただきました。小さなお店ですが厳選した児童書を置いていて、図書クラブの子どもたちも真剣に図書室に置く本を選んでいました。
 そしてもう一軒は「クレヨンハウス」さん。昨年緑のゆびさんを訪れた時はまだ開店直前で、月曜日で1周年記念だったそうです。ここでも子どもたちが幅広い分野から選書をしていました。お店の一角のテーブルでお茶まで出していただき、幸せな時間を過ごしました。
 さて、12月なので、何か季節に合ったものをと思い考えました。一つは大好きな斉藤倫さんの『クリスマスがちかづくと』(斉藤倫作・くりはらたかしイラスト・福音館書店)です。誰もが思う、「サンタクロースはだれなのか?」を斉藤さんの世界で取り上げています。そしてもう一冊。お正月など日本で四季折々に行われている行事を取り上げた本『「和」の行事えほん<2>秋と冬の巻』(高野紀子作・あすなろ書房)です。おせち料理やお雑煮などのことについても描いてあるので、のんびりと眺めるのもいいですよね。