小学校
先生コラム
新しい年が始まります
1.まとめの三学期
いよいよ最後の学期が始まりました。どの学年も1年間のまとめの時期になりますね。3月に向けて今年度がんばってきたことの総まとめや、やり残したことをやり切るなど、それぞれの目標があるでしょう。そして4月には1年生には下級生ができ、6年生は中学生となります。それぞれにとって新しく楽しい世界が待っている事でしょう。気持ちよく新しい世界に入っていけるよう、なおのこと今を大事にして、やるべきことをやり切っておきたいものです。
3学期には学習発表会がありますね。明星では創立以来「表現活動」を大切にしてきました。そのことが今の学習発表会にもつながっています。この学習発表会は今までの学習のまとめと考えています。劇という方法で学習を発表するなら、朗読の先にある身体表現をともなった表現活動であるので、国語の授業がベースになります。しかし、そこには国語によって培われてきたもの以上に色々な要素が含まれてきます。高学年にもなると自分たちで脚本を考えたり、背景や小道具・大道具も自分たちで作り上げたりするのですから、到底国語の枠に収まるはずもありません。子どもたちの主体性と、その主体性をサポートする教員たちの働きかけによって完成するものだと思っています。
もちろん表現することが好きな子どももいれば、そうでない子どももいるでしょう。また表現することが得意な子もいれば、そうでない子もいると思います。どちらでなければならないということではないので、自分の役割やできることを考えた上で、できる限りのことをすればいいと思います。いずれにしても主体的に取り組んでほしいと願っています。学習発表会の本番、楽しみにしています。
ところで年末には6年生の一部が台湾の短期留学に行ってきました。元々は20年ほど前にオーストラリアの小学校と短期留学を含めた交流が始まったのですが、英語が母国語ではない国とも交流していくことがより国際理解につながるということで、その後に台湾との交流が始まりました。もちろん実際に留学して色々なことを経験して来ることは大事なのですが、それ以上に準備段階が重要であると思っています。台湾へ行き、向こうの学校で授業をする時、何を伝えるのか。日本の素晴らしさを伝えるには、自分たち自身が日本の素晴らしさを自覚する必要があります。またその素晴らしさをどう伝えるのか方法も選ばないとなりません。ここでも主体性が重要になってくるのです。そうした準備をしていく過程で、今年も6年生たちがいろいろなアイディアを出しがんばって準備をしたそうです。帰国が迫った頃、中国が台湾付近で軍事演習を行うということで、飛行機が飛ぶのか心配されましたが、そこも混乱なく無事に帰国し、始業式では留学の様子を子どもたちが楽しそうに報告してくれました。この経験をまた次につなげてほしいですね。
2年前のお正月に能登半島地震が発生したことはまだ記憶に新しいところですが、今年もお正月早々に島根県の方で地震が続いていました。これら災害に関してご家庭でもいろいろとご相談しておいていただくと良いかと思います。特に学校にいない時の対応についてはいくつかのパターンに分けて決めておくと、子どもたちも迷いなく行動できると思いますので、よろしくお願いいたします。
2.季節の移り変わり
午年になりましたが、相変わらずウマではなくクマの話になってしまいます。ニュース等で取り上げられているように、本来冬場には冬眠するはずのクマがまだ冬眠しておらず、人間の生活圏に現れているそうです。環境の変化に対応し、冬眠しなくても済むようになったクマが未だにウロウロ。こういった変化はクマの世代が変わっていけばさらに加速するのかもしれませんね。
以前、明星の校長をしていた和田先生が虫の世界の変化を話してくれたことがあります。東京には今までいなかったはずの虫が、ある時から東京で見つかるようになったそうです。気候的に暖かい地方にいた虫が地球温暖化によって北上し、東京でも見られるようになっていく。このことは昆虫の世界だけの話ではありません。他の生物たちの北限もじわじわと広がっているようです。逆に寒いところにしかいられなかった生物は逃げ場を失うのでしょうか。それとも環境に適応できるよう、自分を変化させるのでしょうか。
環境の変化をすぐに改善することはできないかもしれませんが、それでも一人一人が環境の変化に敏感になり、できることを心がけることが大切な世の中になっていきます。
3.ほんのちょっとの紹介
今年は新年明けて早々に雪が降りました。積もる雪ではありませんでしたが比較的大粒の雪が舞っていて、それはそれでいい光景となりました。雪が積もると東京も外の音が消えたようになってとても好きなのですが、次の日の朝のことを考えると、楽しんでばかりもいられません。今回はそんな雪の風景を思い出しての紹介になります。
一冊目は宮沢賢治さんの作品の一つ『雪渡り』です。絵本から文庫までいろいろな形で出版されていますので、どれを選んでもいいと思いますが、今回は大人の方への紹介も含め文庫版を紹介します。(宮沢賢治作、角川文庫)本のタイトルは『セロ弾きのゴーシュ』となっていますが、この中には短編がいくつか含まれていて、その一つが『雪渡り』となります。雪の積もった晩に狐から幻燈会に誘われた子どもたちは狐に騙されるのでしょうか?
ところでここに紹介した画像は平成8年の角川文庫の装丁なのですが、その後は変遷があり、現在出版されているものはもっと「今風?」になってしまっていて少し残念な気がします。
もう一冊は雪の結晶の不思議さや美しさに目を止めてほしいと思っての紹介です。こどものころに塩の結晶を作ったことがあり、その不思議な光景とともに出来上がった結晶の集合体に心奪われた記憶があります。次に雪が降った時には、ぜひこの本のことを思い出し、雪の結晶に注目してほしいですね。『雪の結晶 小さな神秘の世界』(ケン・リブレクト作、矢野真千子訳、河出書房新社)
(校長 照井)