明星学園

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中高生とウクライナ平和サミットに参加しました

高等学校ニュース
8月9日(火)に日本経済大学渋谷キャンパスにて、リンデンホールスクール中高生有志主催の「ウクライナ平和サミット」に参加してきました。
明星学園からは、9年生8名、11年生2名、12年生2名が参加しました。ニュースや新聞などで報道されているロシア・ウクライナ情勢ですが、この日は実際に戦争を体験したウクライナからの留学生3名が登壇し、当時のウクライナの様子を写真や体験談を交えてお話しを聞くことができました。そして、ウクライナ留学生3名と共にパネリストとして、明星生2名(9年生と12年生)を含めた5名の日本人生徒も登壇し、ディスカッション形式でイベントが進みました。
イベントの途中、日本人生徒からの質問や意見を言う時間があり、明星生2名はディスカッションに積極的に参加し、質問を投げかけ、また自らの想いを訴えました。

ここで参加した高校生の感想を掲載します。
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◇11年 Tさん
同世代の方々から話を伺ったことによって、これまで以上に戦争を身近に感じました。特に私の心に刺さったのは「戦争が始まったのを悟った」と言う言葉でした。生まれ育った場所が異なれば、経験してきたことが違うのは当たり前ですが、あまりにもかけ離れていたためショックでした。一刻も早く平和が訪れるのを願います。
 私はサミットを通じて大きく分けて2つの物事に気づくことができました。
一つ目は答えのない問いに自分の意見を持つことの大切さです。“模範解答がない問題を解決する能力が大切だ”とよく言われていますが、私は主旨をつかむことができていませんでした。今回のサミットで多くのテーマと出会えたことによって、自分なりの仮説を立てることができました。これからも考え続けていこうと思います。
二つ目は正確に情報を理解する難しさです。私は普段から、誤った情報を得ないように注意を払っていますが、受け取り方までは気に留めていませんでした。ニュースなどで”ロシアとウクライナは兄弟国”というフレーズを何度も聞いていたので、私は親しい関係だったと思っていましたが、
・ロシア語の使用を強いられた
・芸術を通しての自由の表現を奪われた
・人為的な飢餓が起こされた
などの歴史的事実を知り、ロシアのことをよく思っていないと聞いたときは衝撃的でした。私の読解力が欠けているのもあると思いますが、無意識に情報を正しく理解できていないことがあるのを痛感しました。
 約三時間と短い時間でしたが私にとっては大変貴重かつ重要な学びができました。本当にありがとうございます。微力ではありますが今後も平和について考え、行動していきたいと思います。

◇11年 Nさん
今回は今起こっている現状を深く、そして正確に知ることができ、私にとってとても良い機会となりました。ウクライナの学生3人の生の体験・声・訴えをその場で聞くことで、日本のメディアでは伝わりきれない思いが感じられ、私たちも日本人として、ウクライナの人々を支援したいという強い思いにも繋がりました。
 特に私がこのセミナーに参加し、衝撃を受けたことは、ウクライナ学生が自分のスマホで撮った悲惨な戦場の写真の数々です。日本で流れるニュースだけでは、そのような生々しい光景を目にすることが少なかった為、今この瞬間に戦争が起こっているのだと改めて自覚しました。また、ウクライナ学生たちが自分の経験を語っている時の表情がとても辛そうで、他人事として捉えてはいけないと感じました。
 最後に私はウクライナの人々が突然戦争(爆撃)が始まったとしても、パニックになっている中とにかく命を守るために迅速に行動を起こしたこと、世界に現状を訴えたこと、そして私たち日本人にお礼を言ってくれたことに心から尊敬の念を示したいと思います。そして私たちはウクライナの人々にできる限りの手助けをしていきたいと思いました。そのお互いの思いやる気持ちが戦争のない、平和な世界への一歩に繋がるのだと思いました。

◇12年 Oさん
話し合いの後の食事会では、ウクライナの方々とご一緒しました。しかし、全員ベジタリアンで魚さえも食べようとしませんでした。そんな全ての命を大切にするウクライナの方々にとって、家族の命を失うことはどんなに大きく、想像もつかないほどの悲しみであることでしょうか。
ウクライナのパネリストの方が発表中に涙したことは、幾らロシアが戦争の正当性を主張しようと、間違っていることを明白にしました。
 私たちの住む地球上で戦争が起こっている以上私たちは、ウクライナの文化、食、国民などについて知識を深めて、ウクライナのために行動しなければいけません。そして、ロシアを絶対に許してはいけません。沈黙は容認です。

◇12年 Mさん
まず初めにこの企画を紹介して下さった先生と、一緒に参加してくれた私の友達に感謝を伝えたいです。腰の重かった私がこのような企画に参加するなんて思ってもみなかったですが、お二人のおかげで素晴らしい経験が出来ました!
 今回直接お話しを聞いたことで、今までニュースで見かける程度の他人事であった問題をより身近に感じられました。それに加えて、普段は話題になりにくい「平和」について、他の人の意見が聞けたことはすごく貴重でした。平和構築のためには互いに歩み寄ることが必要だ、という考えで参加したのですが、具体的にどうしていくべきなのかを改めて考えさせられました。様々な背景をもつ人々との対話は、どのような問題であっても、相手とのコミュニケーションを怠らず、自分自身も批判的思考を大事にすべきであると考えさせてくれました。
 またリンデンホールスクールの学生さんたちからは、行動力と問題提起をする力を感じました。同年代の子たちがクラウドファンディングなどをも駆使して、企画を実現してしまうことに驚き、憧れもいだきました。私もこの経験を機に、改めて自分のしたいこと、解決したい問題について取り組んでみよう思います!
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私たち日本人は、今ウクライナで起こっていることは遠い異国での出来事で、「他人ごと」としてとらえてしまうことがあると思います。しかし、ウクライナ学生たちの戦争の体験談や必死に平和を訴えかける想いを直に聞くことで、私たち日本人にできることがあるのではないかと実感することが出来ました。「自分ごと」として考えることが、平和を実現するための第一歩であることを感じました。ウクライナ留学生3名は現在、日本に暮らしていて、彼女たちの家族はウクライナ隣国に避難しています。異国の誰も知らない土地にやってきて、不安を抱えながらの日本での生活でしたが、日本人の親切心にとても助けられたそうです。言葉は分かりませんが、行動で想いを伝えることはできます。そのように少しずつお互い歩み寄っていく事が、よりよい未来を創っていくことに不可欠なのではないでしょうか。
今回は、ウクライナのことを「自分ごと」として深く考える素晴らしい機会となりました。