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8年生 職場体験事前講演会 三鷹にあるリトルスターレストランのokayanさんをお招きしました!

中学校ニュース
三鷹にあるリトルスターレストランのokayanさんをお招きしました!

8年生の大きな行事のひとつ職場体験がいよいよ2か月後に迫ってきました。5日間と長い期間、それぞれの職場にお世話になるのは、「職業」ではなく、「職場」を体験してきてほしいという願いがあるからです。そこで今回は、職場体験事前学習として、三鷹にあるリトルスターレストランのokayanさんをお招きして、どんなライフヒストリーを歩んで、今の仕事に出会ったのか、okayanさんの「物語」のお話をしていただきました。
okayanさんがこれまでの自分を振り返ってキーワードとして挙げたのは、「ダメだったらどうしよう。」大学受験の時は、東京の大学に行きたいのに「ダメだったらどうしよう」。高校3年生の時は一校も受験しなかったそうです。大学卒業後は、就職する会社が「ダメだったら(合わなかったら)どうしよう」、きっとやめられない。ということで、就職をせず1年半をかけて世界25ヶ国へバックパッカーでの旅へ。その旅で、自分の大きさをはかることになったと話してくれました。

たとえば訪れたイスタンブールでは、なぜかルーマニアのおばちゃんのお店を手伝うことに。ルーマニアのおばさんは英語ができなかったので、お互いそれぞれの言葉で会話し、okayanさんにいたっては接客も「開き直って」日本語でやってみたそう。そうしたら、ある時、韓国からの留学生にヨーロッパの人たちの間で「スマイリングボーイとして有名になっているわよ」と言われたそう。言葉が通じなくてもなんとかなるじゃん!ということを感じたそうです。

また、ハンガリーのブダペストに行く列車の中で出会ったフォトジャーナリストの女性から言われた「あなた、臆病でしょ」という一言がぐさっと刺さったそう。指摘されたことは本当のことだったから、大学生のころの自分だったら顔を真っ赤にして怒っていたと思う。でも、この旅で様々なことを経験して、言い訳できない、反論できないことにたくさん直面して、自分がビビりであるということを受け容れることができた、それが大きな収穫だったと語ってくれました。自分の弱点をこんなに臆面もなく語ってくれる大人がいるってすごい!

帰国後は一度地元に戻るも、再び東京へ。その時にリトスタの共同オーナーでもあり、奥様でもあるミヤザキさんと出会い、デザインの仕事を頼まれて、広告などのデザインの仕事をすることに。今まで考えたこともなかったけれど、やってみたら楽しい!実は自分より他人のほうが自分の向き不向きがわかっているのかもしれない。自分で思っている以上に、自分に向いているものはたくさんあるのかもしれないと思うようになったそうです。こうして自分はこのままデザインの仕事を続けていくのだろうなと思っている時に、さらに転機が。ミヤザキさんから料理屋さんを始めたい、okayanのスマイリングボーイの力を発揮してほしいとお誘いを受け、一緒にリトルスターレストランを始めることになったそうです。リトスタの仕事は、楽だと思ったことは一度もない、でも、毎日は楽しい。その中で、楽(らく)することと楽(たの)しいは同じ漢字だけど、全然意味が違うという話をされていたことが印象的でした。
最後に、これまでのビビりな自分を振り返ってみると、デザインの仕事も飲食の仕事も、自分でやりたいと思ったことはない。でも、本当にやりたくないと思ったことはひとつもやっていない、それが自分の「物語」の一部。みんなにもひとりひとりの自分の「物語」があるし、その主人公はだれでもない自分自身。ただ、その「物語」は誰かの中にあるのかもしれない。個人的にはokayanさんの「自分は、誰かの『物語』のいい登場人物でいたいと思う」という言葉が強く心に残りました。今、やりたいことがなくたっていい。誰かに向いているかもと言われたものを試してみるでもいいのではないか、そこから思いがけない出会いや自分の発見につながることもあると8年生に温かいエールを送ってくれました。

okayanさんのお話を聞いて、結局、仕事をするということは、自分がどう生きたいか、自分自身と向き合うことにつながっているのだと強く感じました。5日間の職場体験は、はじめてのことばかりで緊張の連続のはずです。でも、ぜひわからないことはわからないと素直に言ってみること、困ったらどんなことでもすぐに聞いてみること。ご迷惑をおかけするのは当たり前だからこそ、がむしゃらに取り組んでみることを大切にしてほしいです。そして、ぜひお世話になる職場の方たちの「物語」にも耳を傾けてきてほしいです。職場体験を終えた時に、たくさんの「物語」も聞けることを楽しみにしています。

okayanさん、お忙しい中、本当にありがとうございました。

okayanさんもお店のHPでこの時間のことを書いてくださっているので、よければこちらをご覧ください。

≪8年生のokayanさんへのメッセージより≫
★私は、なりたいものとか好きなことを見つけないとと思っていたし、自分で将来のことを決めなきゃと思っていたけど、なんとなくちょっと肩の力が抜けました。
★ダメだったらどうしようと思って怖いからやめてしまうので、何もできなかったに共感した。楽するのと楽しいは同じ漢字だけど意味がちがうというのを聞いて本当にそうだと思った。
★ダメだと思ってあきらめるのはだめだと思った。人に言われたことはやってみるってのも大事だと思った。
★私も、おくびょう者で物事をする前からあきらめてしまうことがよくあります。でもokayanさんは行動力があるからすごいなぁと思いました。
★ちゃんと自分の弱さを知っているっていうのがとても人生においての強みだと思いました。単純に私もLAに行きたいです。
★だめだったらどうしよっていう気持ちはわかるなぁ。ぼくはいろんなことに緊張してふっきれるまで時間がかかります。そんなことよりも今度行きます。何食べよう。
★okayanさんのお話を聞いて、人生の大変さを少し知ることができました。大人はみんな将来に自信があるわけではないのかなと思いました。
★どのエピソードも、今のokayanさんをつくっているんだなと考えると、なんだか言葉で表しにくいけど、すごいなと思いました。そして、「お仕事」は必ずしも楽じゃないし、仲良しこよしでやっていける世界じゃない。でも楽しくできるのはすごいなと思って、私も楽しいって思える仕事につきたいです。

(8年学年主任 小畑)