明星学園

トピックス(中学校)

お知らせ

8年『探究実践』授業レポート①「マイプロジェクト」

中学校ニュース
先週、8年の教室では、夏休み中に与えられたプロジェクトのプレゼンが一人ひとり行われていました。与えられた指示は「誰かのためになること」。さて、14歳の彼らはどんなプロジェクトを企画・実行したのでしょうか。

授業前に授業担当の新坂教諭から見せてもらったのは、Google classroomで提出された「企画書」でした。そこには①プロジェクト名 ②実施日 ③「誰かのため」の対象者 ④プロジェクトの動機 ⑤プロジェクトの報告 ⑥プロジェクトの感想 ⑦「誰かのため」の対象者よりのコメントが書き込まれています。
「いつもおいしいご飯を作ってくれている母のために、私が夕食を作る」「頑張ってトレーニングをしている父のモチベーションを高めるために、僕も一緒にトレーニングする」「いつも家庭菜園でおいしい野菜を作ってくれているおばあちゃん、草取りを自分からしてみる」「いつも歩いている家の前の歩道にある街路樹、通行人のために木の周りに生えている草をとってきれいにする」。とても小さなことです。でも、思ってもなかなかできないこと。でも、実行してみると確実に何かが変わる。
なぜそんなプロジェクトをしようと思ったのか、彼らの言葉を読んだ後、お母さんやおばあちゃんのコメントを読むことになります。恥ずかしながら正直こみあげてくるものがありました。心が温かくなりました。どんな時代になっても大切なこと、14歳という時期に特に必要なこと、小さなことでも実際に行動してみること、何でもないこういうことこそ人間関係の根本にあるんだなとしみじみ感じてしまいました。
プレゼンは、Googleスライドで作成された画面を使って行われていました。写真も効果的に使われています。「飼い犬のために、歯ブラシで歯をきれいにしてあげるプロジェクト」。歯を触られることを拒む犬が、どのような姿勢だとおとなしくなるか、どのような形の歯ブラシが犬の歯磨きには向いているのか。しっかり探究している姿があります。対象者(犬)からのコメントは残念ながらもらえません(当然ですね)が、お母さんからもらった感想が語られていました。
「小さな子どもたちに英語を教えるプロジェクト」。彼女は地方の小さな学校から転校してきました。その地域には小さな子供たちが学ぶ英語塾はありません。そこで彼女はオンラインを使って、彼らに英語を教えるプロジェクトを試みました。どのようにすれば英語を楽しく学べるか、試行錯誤の試みだったようです。でも、それを続けるうちに手ごたえを感じるようになってきます。夏休みが終わり、忙しくなったので週1回しかできないけど、今でも授業を続けているという彼女の報告を聞きながら、東京に行った中学生のお姉ちゃんに英語を教えてもらえる子どもたちの笑顔が見えるようです。
その他、ユーモアを交えたプレゼンなど、バラエティーに富んだ発表会でした。
今後、8年生は次のプロジェクトに向けて、活動がスタートします。コロナ禍の中にあって、学校外の社会に出てのフィールドワークを自由にするには、依然困難な状況が続いています。それでも可能なことはたくさんあります。始まったばかりの『総合探究科』の新しい授業です。今後も引き続き、レポートしていきたいと思います。

(副校長 堀内)