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卒業式〜卒業生の言葉〜(2)

中学校ニュース
 先日、中学校卒業式が行われました。卒業生の門出を祝う善き日となりました。今回は、卒業生の言葉を3回シリーズ(2回目)でお届けしています。

 こんにちは。今から、3年間を終えて感じた「どんどん人を好きになった話」をしようと思います。早速ですが、皆さん「刹那」という言葉をご存じでしょうか。
「一瞬一瞬」などという意味です。この刹那という言葉を使った「刹那に生きる」という表現があり、一般的には「将来を考えず、今だけを考えて生きる」という意味があります。これは少しネガティブに感じる人もいるでしょう。でも僕はそうではなく、刹那を生きるとは、「一瞬一瞬を大切に生きる」という意味だと考えています。
 この3年間、僕はまさに刹那を生きていたのだと思います。なぜそのように思うのか?それは僕が成長し、人のことがどんどん好きになっていったからです。
中学校以前は、普段の些細な会話や、人とのかかわりでちょっぴりうれしかったことも、「めっちゃうれしい」と感じることはありませんでした。
けれど、中学3年間を過ごしていく中で、今までそこまでうれしく感じなかった人とのかかわりが、とても嬉しいことに感じていったんです。
クラスメートや友達、先生などとの当たり前の会話、クラスで盛り上がったことや、休み時間の会話、一日の中のほんの小さな人との関わりの一つ一つが、すごく嬉しく感じるようになりました。学校外でもです。振り返ってみれば、一日に感じていた喜びの大半は、人との関わりが生んでいたと思います。
 話が少し変わりますが、僕は一時期、かなりの遅刻魔でした。遅刻の常習犯だったということですね。
9年生の1学期、遅刻し続けていた僕は、ついに人生初の三者面談に呼ばれてしまいました。
 その時、担任の先生に言われたんです。「この先もし遅刻が今までどおり減らなかったとしても、絶対に見捨てることはないよ。でも、口には出さなくても、心の中ではものすごくがっかりするよ。」
 こう先生に言われて、僕は、「先生にそのように感じてほしくないし、それは絶対に嫌だ!」と思い、遅刻が減るよう本気で努力するぞと心に決めたのを覚えています。
僕がこう思ったのは、人との信頼関係を大切にしようと思うようになり、成長したからなのだと思います。
以前より人との関係を大切にし、人との関わりを好きだと感じるよう成長したということです。
 なぜ成長したのか?これは、環境の変化によるものなんじゃないかと思います。
3回クラス替えをして、時の流れとともにより多くに人と関わったから、成長に繋がったのだと思います。クラス替えで寂しい思いをすることもあるけれど、それが成長につながり、より充実した毎日につながっていると思います。僕は3年のうちに成長し、もう一つ大きな変化がありました。
 それは、人との関わりで嬉しかったこと、楽しかったことを自然に忘れないようにするようになったんです。
これは一瞬一瞬の人との関わりを大切に思うようになったからだと思います。これが、先ほど言った「刹那を生きる」ということなんです。
たった1つの会話だって、この先もう二度とない、かけがえのないものなんです。もう過ぎ去った時は二度と帰ってきません。
 だから、これからの人生も、ひとつひとつの人との関わりを楽しんでいきたいし、皆さんにもそうしてほしいと思います。人との関わりを愛せば、毎日をすごく大切に感じられるし、必ず充実します。
 僕は、自分が人を好きなことに気づいたので、これから先の人生は人と関わって、協力しあう仕事に就きたいと思っています。
そして、これから先も僕は刹那を生きていきます。かけがえのない毎日を与えてくれたこの学校の先生方、生徒たちに心より感謝します。
僕の「人が好きになった話」を聞いていただき、ありがとうございました!


(中学校副校長 石井)