明星学園

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卒業式〜卒業生の言葉〜(3)

中学校ニュース
 先日の中学校卒業式より〜 今回は、卒業生の言葉を3回シリーズ(最終回)でお届けしています。

 校庭の桜につぼみが膨らみ始め、春の息吹が感じられる今日、私たちは明星学園中学校を卒業します。
 思い出すこと3年前、今日と同じ場所で、私たちは緊張と期待を胸いっぱいに中学に入学しました。
新しい先生、仲間との出会い、そして、沢山の行事や部活動、勉強、忙しくてかけがえのない日々の連続だったでしょう。
 そんな、中学校生活で皆さんはどんな経験をし、どんな成長をしましたか?私は小学校の頃、挑戦をすることができませんでした。
きっと普段引っ込み思案な私が挑戦するのは自分らしくないし、失敗して周りにどう思われるかが怖かったから、自分の殻に閉じこもっていたんだと思います。
でも、そんな私を変えてくれたのは、中学校での沢山の経験だと思います。どんな経験をしたか?これから2つに絞って話します。
 
 1つ目は部活での経験です。私は中学の3年間、陸上競技をやってきました。7年生の頃、先生に勧められ、初めてハードルの大会に出場しました。
ハードルとは100mに等間隔に置かれている、10台ものハードルを飛び越える競技です。挑戦をするのが苦手な私にとってはとても怖いものでした。
そんな中で立ったスタートライン、ピストルの合図がなり走り出しました。私は中盤のハードルで転んで、最後まで走りきることさえできませんでした。
 今まで挑戦をしてこなかった私にとっては初めての失敗で、見ていた福元先生に怒られるのかな、親になんて言おう、そんな不安や心配でいっぱいでした。
きっと私が失敗を恐れて挑戦しない理由は、他の人からどう思われるかが怖かったからだったんだと思います。
けれど、福元先生はいつもと変わらず「おつかれさん」と言って全く怒ったりしませんでしたし、親にも「頑張ったね」と言われるだけで、誰も私を怒ったりしませんでした。その時、私は失敗をした時に他の人にどう思われるかを心配し挑戦しないことがいかに、もったいないことだったかに気づかされました。
 その年の都大会では、その時の失敗を活かし周りが先に行っても焦らず走り切りハードルで入賞ができました。だから、その時失敗したことでも、今後必ず役に立ったり、自分の糧になります。だからこそ、挑戦することはやめてはなりません。そして、挑戦するかしないかは私たちにゆだねてくれて、挑戦する時は全力でサポートしてくれる、陸上競技部に入れて本当に良かったです。
  
 2つ目は、毎日の授業です。明星学園では、課題に対して自分の考えを書きます。あくまで自分の意見であり、完璧に答える必要はないので、同級生や先生は私たち1人1人の考えを尊重してくれます。ただ公式を覚えるのではなく、なぜそうなるかを証明したり、ただ歴史で起きたことを覚えるのではなく、その出来事からどう捉えるか、考えることの楽しさ、勉強することの本質を先生方は私たちに教えてくれました。きっと暗記してテストで良い点をとることだけが勉強ではなくて、なぜそうなるの?あなたはどう思うの?物事に対して一つ一つ自分で考え伝えることが「勉強」だと私は思います。だから、沢山自分の考えを発言して自信をつけて挑戦することを拒まなくなりました。そんな明星学園の授業を受けられて本当によかったです。
  
 この2つ以外にもみんなで力を合わせて頑張った、運動会や合唱祭、新しいことを知り学んだ修学旅行、卒業研究、先生や友達が励ましてくれた言葉、沢山の思い出や経験が、失敗を恐れず挑戦できる私に変えてくれました。全部私にとってかけがえのない宝物です。きっと挑戦することは苦しくて、大変な時もあります。けれど、とても素晴らしく、とても楽しいことです。だから、失敗を恐れず沢山の挑戦をしてほしいです。たとえ結果がついてこなくても、過程で学べること、得られることは沢山あります。
 そして、学校生活で培ってきた考える力、挑戦する力、経験は勝利につながり役に立ちます。在校生の皆さん、中学生の3年間はとても短くて、貴重なものです。1日1日を大切にしてください。
 最後に、皆さんには1人1人色々な道があり、何が正解かわかるまでこれからも長い時間がかかると思います。だからこそ明星学園は、私たちを決まった型にはめるのではなく、道を、選択肢を作ってくれます。そんな自分らしく輝ける環境を作ってくれたのは、ここにいる先生方や、保護者の皆様、同級生、後輩、先輩のおかげです。私はそんな明星学園中学校が大好きです。3年間、本当にありがとうございました。


 3人の卒業生が、自分が見た・通ってきた中学校3年間をそれぞれの観点から今の自分が伝えたいことを自分の言葉で語ってくれました。
明星学園にとって、生徒の皆さん1人ひとりが大切な宝物です。
147名の卒業生に一つとして同じ物語はなく、147のそれぞれの物語があります。
 1人ひとりが考え、自身の個性を磨き上げて、世界の中でご活躍されることを願っております。
ご卒業おめでとうございます・・・

(中学校副校長 石井)