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明星学園生が「ウクライナ平和サミット」に参加~ウクライナ留学生と「平和」について議論!

中学校ニュース
8月9日(火)、福岡にあるリンデンホールスクール中高生有志の皆さん主催の「ウクライナ平和サミット@東京」に9年生(中3)8名と高校生4名が参加しました。

リンデンホールスクール中高生有志の皆さんは、福岡にある大学に現在、避難・留学してきている65名のウクライナ人留学生と出会いました。そこで留学生たちから、「支援物資を集めるよりも、今の現状を日本の人たちに知ってほしい」という話を聞き、「ニュースで流れる戦争とは違う、ひとりひとりの『戦争』を同世代の日本人中高生に知ってもらい、『戦争』とは何なのか、『平和』の意味は何なのかを自分の中で考えるきっかけを作りたい。そして、ウクライナと日本の若者同士が繋がり語り合うことで、一緒に、どのような世界を築きたいかを議論できる場所にしたい」とクラウドファンディングやスポンサーになってくれる企業を探し、資金を集め、全国6か所で「平和サミット」を企画したそうです(その行動力がすごい!)。

当日は、明星学園から12年生(高3)と9年生(中3)が1人ずつパネリストとして参加。ウクライナの文化や歴史の紹介から始まり、3人のウクライナ人留学生が直面した「戦争」の話を聞き、ウクライナ人と日本の中高生とのディスカッションを重ねました。

明星生のパネリストからは、「ロシアのことをどう考えていますか?」「ウクライナに物資の供給(特に武器)を続けると、戦争が終わらないのではないかとも思いますが、そのことについてどう思いますか?」などと率直な質問がとび出します。ウクライナ人留学生からも「ロシアに親戚がいるけれど、今回のことでロシアの人はみんないい人とは思えなくなってしまって、自分の中でとても葛藤がある」「ロシアが侵攻してきたので、それに対抗するためには近代的な武器がないと対抗できない。兵士が戦うためという意味ではなく、一般人も巻き込まれているので、軍備がないと一般人を守ることができない。ディフェンス(防衛)として、軍備が必要だと思っている」「ロシアの人がみんな悪いわけではない。戦争というものが悪いと思っている」などと真剣なやりとりが続きました。

あっという間の2時間半。「戦争はいけないと言っているだけでは何も解決しない。意見を言うだけではなく、何かしら行動にうつすことが必要」と話をする留学生たちの言葉が心に残りました。

サミット終了後、ご厚意でウクライナ料理を囲み、ゆるやかに交流の時間を持たせていただきました。
リンデンホールスクールの校長先生、主催した生徒さん、ウクライナからの留学生の皆さん、貴重な経験をさせていただき、どうもありがとうございました。
参加した9年生たちは、それぞれ何に心が揺さぶられたのかを紹介します。

★「ウクライナ平和サミット」に参加して、一番刺さったもの、衝撃のあったものは?
・武器の支援をウクライナの一学生が強く望んでいたこと。私は武器の支援は必要ないと思っていたのだが、武器の支援をしないとウクライナが終わってしまうということを聞いて、物事は全く単純でないのだということを実感した。今まで、ウクライナの庶民は戦争を早く終わらせたいから、武器の支援をあまり望んでないと思っていた。
・やっぱり1番は今この同じ星で戦争がおきてるということ
・ロシアに住んでる親戚とも仲が悪化していたこと。
・2014年からクリミアで戦争が起きていた→国際的に重要視されないこと。戦争が起きたあと、車や建物が燃えている、まるで3.11で大津波の被害を受けた地域のように。
・取り返しのつかない憎しみが、生まれている事。(発言者の様子から見て。)
・爆弾の音や焼けた建物が見えなくても、その悲惨さ、恐ろしさが前よりも、身近に感じた。
・攻撃に気づいてからでは食べ物も飛行機のチケットも売り切れてしまっているということ

★「ウクライナ平和サミット」に参加して、持ち帰る学びは?
・やはり戦争はいけないということ。そして、自分のものとはまったく違う意見もたくさんあるということ。
・やっぱりなんだかんだ自分がトラブルを解決するときに手を出さないということが個人にできる最適なことだと思う。
・家族の大切さや戦争の愚かさを改めて実感した。
・ウクライナでは、もっと前から戦争が起きていたこと。
・まだまだ知らない事だらけで、勉強が必要だと痛感した学び。英語を学んでいろんな人々とコミュニケーションをとり、交友を作って戦争を少しでも起こさないようにする。でも何より、どんなことでも囚われることは、一番対立を生むということ。お互いを理解し合い、その信頼の条件で、対談をしていく必要がある。
・現代の戦争について、貴重な体験談を聞けた。

また、この時の様子などが、NHKの「ニュースウォッチ9」(8/15)「日本の中高生たちとウクライナの避難者が「平和」について議論」で報道されました。9年生のパネラーとウクライナの学生のやりとりも取り上げられていますので、ぜひ合わせてご覧ください。

なお、高校生の感想・報告は、こちらからお読みいただくことができます。

(9年社会科担当 小畑典子)